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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第11章 緋色の真相 【安室/公安男】


「チッ…!」
ハンドルを切る―そう判断した時にはすでに遅かった。俊足の弾丸がタイヤを撃ち抜き、車がスリップする。
「…っ!うわっ!?」
なんとかハンドルを切ったが、スピードの出し過ぎた車は急には止まらない。後続の車に追突されてクラッシュし、走行不可能となった。赤井を乗せたFBIの車はそのまま走って行ってしまう。
「っ、あ゛ー――っ!!くっそ!!」
頭を抱えて、自分の車ではないのいいことにガンッと殴りつける。「お怪我は!?」と案じる部下に「問題ない!」と返し、朔司はそのボタンを押した。








彼の首に何もついていない事に動揺した安室は、テーブルに置いたままのスマホが振動していることに気がついていなかった。昴に言われてスマホをとり、電話に出る。
「どうした?遅かったな…」
『赤井秀一がいやがった』
「え?あ…赤井が!?」
彼の驚愕の声がリビングに響く。どういうことだ、と安室は昴を見た。そこには表情を変えずじっと安室を見る昴の姿。そして、電話口の向こうからの言葉にまた声を上げた。
『あいつ発砲しやがった。タイヤやられて車は全滅。追跡不可能だ』
「くっ…!」
計画が破られ、焦りの声が出る。だが、何が何でも赤井を捕らえなければ。そんな気迫が伝わってくるようだった。
『なっ、お前…っ』
「おい?どうした?状況は!?応答しろ!」
突然動揺の声がきこえ、安室が声を張り上げる。だが次にスピーカーからきこえてきた声に、震えた。
『久しぶりだな…バーボン…いや、今は安室透くんだったかな…』
「!」
電話口から朔司のものではない声が、覚えのある声がきこえ、安室の表情が変わった。怒りともとれる顔色、それと反対に、赤井の声はいつもの冷静沈着だった。戻って来た赤井は、手にしていた拳銃を朔司に渡して、代わりにそのスマホを受け取り、安室と通話している。
『君の連れの車をオシャカにしたお詫びに、ささやかな手土産を預けた…。楠田陸道が自殺に使用した拳銃だ…。入手ルートを探れば何かわかるかもしれん…。ここは日本…そういう事は、我々FBIより君らの方が畑だろう?』
「まさかお前、俺の正体を!?」
『組織にいた頃から疑ってはいたが…あだ名が〝ゼロ〟だとボウヤに漏らしたのは失敗だったな…。〝ゼロ〟とあだ名される名前は数少ない…調べやすかったよ…降谷零くん…』
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