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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第6章 予期せぬ再会 【安室】


犯人は被害者と幼馴染、同じくらいの歳であろう30~40代の男性。第一発見者がFBI捜査官で離れしているキャメルだったため、店はすぐに閉鎖となり、犯人も身動きがとれない状況のはず。店内にいる該当にあたる男を警察が割り出す事となった。
「あ…すみません、青黛さん。ちょっとジョディさんに連絡を入れてきます」
「待ち合わせでもしてたの?」
「はい…」
軽く頭を下げてキャメルが離れて行く。また事件に巻き込まれて、なんて言われるだろうなと思いながらその背を見送った。
「十華さん」
「真純」
今は手が空いた真純が十華に声を掛ける。真純も探偵だが、そもそも今回はほぼ傍観者らしい。なんでも工藤新一と服部平次が推理対決をしているそうで。
「でも工藤くんはいないじゃない」
「コナンくんが電話で伝えて教えてもらって答えてるんだよ」
「…なるほど」
そういうやり方か、と十華は感心した。それなら周りにはわからない。
「…で?真純はなんで日本に?」
先程はできなかった問いを今度こそする。と、真純がガシっと十華の両肩を掴んだ。小柄な十華はぐっと真純に上から覗き込まれる体勢となっている。
「ま、真純?」
「…秀兄の事だよ」
「!」
真純の言葉に十華は目を瞠った。
(やっぱり、真純は秀一の〝死〟について、調べに…)
「秀兄が死んだってきかされて、いてもたってもいられなかった。秀兄が死ぬはずない。あんなに強い、秀兄が…」
俯いて、十華の肩を掴む手が震える。そして勢いよく顔を上げ、十華に詰め寄った。
「なぁ、十華さん、知っていたら教えてくれ!なんで、秀兄は…っ」
「……」
人がいないところでよかったと、十華は冷静に思っていた。できれば真純が赤井と縁ある者であるということは、あまり知られない方がいい。彼女の安全のためにも。十華は一度目を伏せ、そして真純を見つめた。
「ごめん…私もその時の事は、よく知らないの。秀一が何者かに呼び出されてその時に、って事しか…」
「…そう、か…」
同じFBIで赤井の相棒である十華なら知っていると思ったのだろう。するりと真純の手が十華の肩から滑り落ちた。
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