第8章 Happily ever after ⑥トラウマ〜家康〜
俺には、抑えられない衝動がある。
それは発作のようなもので、俺の中に眠る暗くどす黒い感情が、様々な事が引き金となって湧き上がってくる。
大抵は、戦でそれを発散し抑えていたが、サラと出会い、その衝動がサラに向きそうになる時がある。
何よりも愛おしく大切なサラ。なのに壊したくなるほどの歪んだ愛情が湧き上がる。
初めてサラにそれを向けたのは、サラが信長様からエメラルドの首飾りを頂いた時。自分の御殿の庭先で、サラを犯すように抱いた。
サラはあの日、意識を飛ばした為気づいていないけど、無理やりこじ開けるように抱かれたサラの体は悲鳴をあげるように僅かに出血をし、未通娘でなくてもこんなことが起きるのだと、あの時初めて知った。
俺は、心だけでなく、サラの体も傷つけてしまったのだと、酷く落ち込んだ。
サラはどんな時も俺を受け入れてしまうけど、それはもうしたくない。
だから、そんな自分を抑えたくて、発作が起きそうな夜は、敢えてサラを俺から隔離するように、ジッと、発作が治まるのを待つしかなかった。