第6章 Happily ever after ④夜の思いつき〜家康〜
目を覚ますと、家康が私の頭を撫でながら顔を覗き込んでいた。
「あっ、起きた」
「家康」
結局また、家康に全てを委ねてしまったと気づいて恥ずかしくなってきた。
「ごめんね。」
家康の胸に顔を埋めて謝る。
「何で謝るの?あんたの思いは、ちゃんと伝わったよ」
「ほんと?でも.........」
「サラが喜んでるのを見るのが俺の喜びだって、前に伝えたでしょ」
「家康......」
「それに、あんたが俺をどうにかしようなんて100年早い。」
言葉とは裏腹に家康の顔は幸せそうで優しくて、私はそれだけで嬉しくなった。
「うん、そうだね。」
私は家康に抱きつき、
「家康、大好き。」
ありったけの思いを込めて、囁いた。
でも、家康を喜ばせようとするのは違う方法にしようと、私は強く思った。
終