第3章 Happily ever after①君の欲しい物〜家康〜
ちょっと困ったように、顔を赤らめながらサラは口を開いた。
「家康と.......手を、繋ぎたい。」
「っ....」
思いがけない答えだったが、サラの手と俺の手を繋いでみる。
「繋いだけど。次は?」
「だ、抱きしめて欲しい。」
「もう、抱きしめてるけど、後は?」
「もっと笑った顔が見たいし、」
「それはムリ。他には?」
「好き.......って言って欲しい。」
「....................っ」
サラの言動は、いつも俺の想像の先を行く。可愛すぎて、驚かされてばかりだ。
「サラといると調子狂う。そんなんが欲しいなんて、あんたって、ほんとバカだね。」
俺自身、気づかないくらいに笑いながらサラをきつく抱きしめた。
「あんまり言わないからちゃんと聞いて。
俺は、サラが好きだよ。愛してる。これからはずっと、俺だけを見て、へらへら笑ってて。」
一生分の素直さを使い果たした気がして、俺は顔が赤くなった事に気づかれないように。サラの唇に優しい口づけをした。
終