ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第7章 『ロミオとジュリエット』が嫌いな理由
「すまない。そう言われたのは初めてだったから、
少し驚いてしまっていただけなんだ。君が謝る事じゃない」
いや、でも今思いっきりエルヴィンさんに
「エルヴィンさんって個性ありませんよね?」的な事を
言ってしまったようなものだ。
失礼過ぎて憤死してしまう。
「顔を上げてくれ、。君は本当に面白いね。
そんな事を言うのは本当に君くらいだよ」
エルヴィンさんの顔を見ると、
そこには大人の顔をした彼がいた。
不自然ではないけれど、どことなく自然ではない彼の様子に
何かが『閉ざされた』ように感じる。
「・・・本当にごめんなさい。そんな顔をさせるつもりは
無かったんです」
その日はそれ以上何かを話す訳でもなくエルヴィンさんと
別れた。