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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第5章 彼との遭遇




そんな日々を過ごしていたある日、いつものように
ダリウスさんのお店を手伝っていて、外にお使いを頼まれた。

ついでに昼食も摂ってきなさいという言葉に甘え、
市民がよく集う飲食店のある区域に向かった。

途中には本屋があり、そういえば読んでいた推理小説の
新刊が出ていたなと思い立ち、本屋に寄る。

シーナの本屋だけあって庶民御用達のお店でもローゼより
品揃えが良く、私はそれらを眺めるのが好きだった。


「んーっと・・・あ!あった!」


丁度残り一冊だったらしく運が良かったなぁと思いながら
その本に手を伸ばすと、横から同じくその本に手を
伸ばされ、同時に本に触れる。

前言撤回、ツイてなかったなぁ・・・と恐る恐る同じ本を
買おうとしている相手を見ると、私はそこで思いっきり
フリーズした。


避けまくっていたハンサムな調査兵がそこにいたからだ。

驚き過ぎて叫び声を上げそうになったが既の所で堪え、
どうしようか、ここは声を掛けるべきなのか?
それとも無言で立ち去るべきなのか思考がグチャグチャになる。

彼も彼で驚いているようで固まったまま微動だにしない。

彼は兵団服ではなくカジュアルな私服を着ていて、
ローゼに本拠を置いている調査兵でもシーナまで買い物に
来るんだなぁという明後日な感想を抱いた。



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