ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第4章 彼の正体
それから私は徹底的に夜会でハンサムな彼を避けた。
正直、その夜会に彼が出席しているかもわからなかったが
会場に到着してすぐに誰も来ないような場所を探し、
そこに終わるまで隠れ続けたのだ。
甘えていた自分が恥ずかしすぎて、会わす顔が無かった。
調査兵の彼にしてみたら、あの泥棒事件の日に私が言った言葉は
無神経過ぎて、不愉快だっただろう。
命を賭けて人類の為に戦っている彼に対して
命を軽んじる言葉を発した自分が堪らなく恥ずかしかったのだ。
彼を避けても意味が無いとはわかっていたが、
それでも私はどうしても彼を見る事が出来なかった。