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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第15章 原因と告白






「むしろ感謝しています。エルヴィンさんは私に
色々してくださいました。エルヴィンさんがいなかったら、
きっと私は志半ばで倒れていたかもしれません。
でも、エルヴィンさんの協力でラウリィの仇は
討てましたし、何を恨む事がありますか?」


「君と最後に会った日、君が私に言った言葉通り私は
君を利用しようとしていた。その事実はどんな綺麗事を
並べても覆らないし、君を貴族から庶民の身分へ
落としたのも私だ。それでも恨んでいないと
言ってくれるのか?」


「元々あの家を出るつもりでいましたので、
エルヴィンさんが気に病むことではありません。
私が自由になるには通るべき道だったのです」


予定通りの事だったと告げてもエルヴィンさんの表情は
晴れず、私は困惑する。


何というか・・・この状況は勘違いしてしまいそうで恐い。

格好良い男性に手を取られて「自分をどう思っているか?」
なんて聞かれれば、勘違いしたくもなってしまう。

エルヴィンさんは私を無視していたのではなく
探してくれていたようだし、私の生存を喜んで
くれているみたいだし・・・いや、それは罪悪感から
なのかもしれないけれど・・・と
思考がグルグルしてモヤモヤが募る。


・・・私の生存が確認出来たエルヴィンさんは
もう会いに来てくれないだろうか?

そうだとしたら、これがエルヴィンさんと会える
最後のチャンスなのかもしれない。

だったら、私は最近抑えきれなくなってきた感情を
ぶつけたくなった。

どっちの意味かはわからなかったけれど、
先程兵長さんが言った「頑張れよ」という激励を
ポジティブに受け止めた私は玉砕覚悟で気持ちを
打ち明ける事にした。



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