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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第15章 原因と告白





え・・・?頑張れってどういう意味ですか?

庶民暮らしを応援してくれているのか、
エルヴィンさんへのアタックを頑張れと言われているのか
判断がつかないまま会計作業を終えると同時に、
お店のドアが『バァァーン!』と凄い音を立てて開いた。


「ひっ!?」


ビックリし過ぎて半分出た悲鳴を飲み込みながら
入り口を見ると、正に『鬼気迫る』という言葉が
相応しい表情をしたエルヴィンさんが立っていた。

全速力で走ってきたのか、いつもキッチリしている
髪型は崩れ、肩で息をしている姿を見て、
私はオロオロしてしまう。

いつも会っていたエルヴィンさんとは雰囲気が
違ったせいもあるが、会いたかったとはいえ再会時に
何と声を掛けようかなんて考えてなかったせいでもある。

何とか咄嗟に出た言葉は「お久しぶりです。
お元気でしたか?」という空気の読めないもので、
私は自己嫌悪に陥った。


「エルヴィーン!置いて行かないでよ~!」


エルヴィンさんの後から、同じく全速力で走って
帰ってきたと思われるメガネの調査兵が彼の背中を
叩いていたが、エルヴィンさんは微動だにせず
私をジッと見つめたままで空気が重い。

暫く無言の睨み合い?をした後、エルヴィンさんは
大きく息を吐くとその場で膝をつき「生きて・・・いた」
と零した。


「エルヴィンさんっ!?」


驚いて急いで駆け寄ると、彼は「私が行った時には
もう姿はなくて、遺書もあって、ナイルにも確認して、
ダリウス氏にも・・・」と譫言のように呟くばかりで
私は戸惑ってしまった。

戸惑っている私の様子にメガネの調査兵が補足を
入れてくれたお陰で、何となく全体像が見え始める。



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