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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第14章 逃亡先にて






―――そして、半年の月日が流れた。


あの後、私の実家であるカプレーティ家は
諸々の罪状により取り潰しになった。

カプレーティ家の当主である父も、
罪に加担していた母と使用人も有罪となり
極刑もしくは二度と塀の外へは出られない身と
なったらしい。

一人娘である『』は使用人の証言から罪無しと
判断されたらしく、行方不明者としてそのまま
放置される結果となったのは喜ばしかった。

元々遺書もあったので自殺している可能性の高い娘を
憲兵団がわざわざ探したくなかったというのが本音だろう。


そんなこんなで無事に逃げ切った私は
ウォール・ローゼまで落ち延び、とある雑貨屋で
働いていた。

この雑貨屋の店主はダリウスさんと知己で、
私の事情を知った上で養女に迎えてくれた。

元々老夫婦が営んでいたが店主が老齢だった為、
誰か跡継ぎになってくれないかと探していたらしい。

そこでダリウスさんから商売を仕込まれシーナから
離れた場所に行きたかった私に白羽の矢が立ち、
お店を任せてくれたのだ。

世間に死んだ人間と認識されたい私にとっては
何とも有り難いお話だった。

最近ではお店の方針など好きにして良いと
言われているので、ダリウスさんのお店みたいに
シーナから様々なものを取り寄せ、なかなかの
繁盛店になっている。




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