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転スラと刀剣乱舞クロスオーバー

第2章 プロローグ ーとある街ではー


 ここはジュラの森にあるジュラ・テンペスト連邦国。
 この国の主である、リムル=テンペストは今日もゆったりと街中を見回っていた。

 今では色んな意味で充実した生活を送っているお陰で、現代よりも健康なのではないだろうか。そんなことを考えながら歩いていれば、街にいるゴブリン達に次々と声をかけられる。

「リムル様、おはようございます」
「ああ。おはよう」
「リムル様、今日の狩りに期待してて下さいね」
「無理はするなよ」
「大丈夫ですって。これでもちょっとは腕上がったんですよ」
「じゃあ、白老に確かめてもらおう」
「えー。俺死んじまいますよー」
「頑張れよー」

 労いをかけてやりながら、リムルは執務館へと向かう。
彼の要望により温泉や快適な生活環境はだいぶ整ってきた。もちろん、平和であることに不満などないが、何かあった時に備えて対策を考えなければならないとも考えていた。

 先日から訪れている魔王ミリム・ナーヴァは我儘でリムルもトホトホ手を焼いているし、(根は悪くないし珠菜や紫苑と仲良くしてくれているので多少は肩の荷が降りている)紫苑はたまに俺に対しての情熱が強過ぎて暴走するので、それらを抑えるリムルの心労は毎日絶えない。

 自分が彼等に名を与えたことにより、彼等も進化して力を付けている。しかし、上には上がいるものだ。ドワーフやミリムなどの魔王に目をつけられ始めた今、戦闘能力だけでなく防御結界なるものを皆で作れないだろうか。

「何かないかなー」
「何がですか?」
「うおっ!?」

 独り言にまさか返事が返ってくると思わず、リムルは慌てて後ろを振り返った。そこには、紅丸が立っていた。

「紅丸か。おどかすなよ」
「すみません。何か困ったことでも?」
「うーーん。急ぎの案件じゃないが、ちょっとな」

 眉を寄せる紅丸だが、リムルの口調や表情から緊迫した空気が感じ取れなかった為、深くは考えないことにした。二人は揃って足を進める。

「皆の訓練はどうだった?」
「はい。やはり、ところどころ動きが鈍い者もいますが、それなりに。ただ実戦となった時にどうなるかは」
「ま、仕方ないと言えばそれまでだな。近々訓練という名の試合でもするか」
「試合、ですか?」
「あぁ。出来れば無駄な戦いをして欲しくないのが本音だが、自分の身は守れるようになるに越したことはないだろう?」
「たしかに」
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