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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第4章 原作編《体育祭》


紫沫SIDE


朝のHRが終わるのと同時に私は相澤先生に呼ばれついていくと、教室を出てすぐのところで声をかけられた。

「雪水、USJの時に"治癒"してくれていたらしいな」
「あ、はい…」
「助かった。事前の治癒のお陰でこの程度で済んだと婆さんが言っていた。軽症の所が既に完治していたから不用意に体力を削らず、重症な所を治す事に集中出来たらしい」

その言葉に私は救われる思いがした。
後遺症が残る程の怪我をその場で"治癒"を持つ者としてどうすることも出来なかったという事実は変わらないけど、ほんの少しでも私の"治癒"で回復が早くなっているのだとしたら。
あの日両親を救う事が出来なかった自分でも、些細なものかもしれないけど誰かの救けになれた事が嬉しかった。

「いえ、相澤先生がご無事で何よりでした」
「ただし、あの場で倒れたというのはあまり褒められたものではない。"雪"の制御もまだまだ出来ていないしな」
「はい…」

返す言葉もない。
倒れてしまって、あの後すぐにその場が収まったらしいから良かったけど、そうじゃなかったらあんな状態の私は足手まといどころじゃなかった。
それに、ここにいる本題は何もクリア出来ていない。

「"治癒"も含めてお前の"個性"は可能性を秘めているんだから、しっかりモノにしろ」
「っはい…!」
「それと、HRで話した体育祭だが、雪水は見学という事になった。その代わり、リカバリーガールの元で生徒の手当てに当たってもらう」
「わかりました」
「詳細はまた近付いたら知らせる。以上」
「はい」

そう言って、相澤先生は職員室に戻っていった。
普段はやる気がなさそうに見えるけど。
その実しっかり生徒一人一人を見ていて、それぞれ必要な言葉を的確にかけてくれて。
だからこそこんなにも相澤先生の言葉は勇気をくれるんだと。
"個性"の事で不安なところはまだまだ多いけれど、期待に応えたいと思った。







その日のお昼、たまたま1人で食堂に向かっていると、中庭にしゃがみ込んでいる人を発見。

(あの人どうしたんだろう…気分でも悪いのかな…?)

なんだか気になり様子を見に行く事にした。

「あの…大丈夫ですか?」
「…」

こちらを振り返ったその人は目の下のクマが印象的な人だった。

「もし気分悪いとかでしたら…」
「ニャァ」
「え…?」

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