第3章 原作編《入学〜USJ》
轟SIDE
オールマイトが脳無をブッ飛ばし、先生達が駆けつけた事で、敵はこの場を去っていった。
広場にいた俺達はゲート前に集まるよう指示され到着してみると、数人の生徒が騒ついているのが見えた。
「なんだ?敵はもういねえってのに、なんかあったのか?」
広場から同じく戻っていた切島がその人だかりに近づいていく。
俺も同様にそちらへと向かい、その中心にいる人物を見て息を飲んだ。
「紫沫ちゃん!やっぱり"個性"が暴走していたんかな!?」
「麗日さん、落ち着いて。すぐに救急車が到着するから今はそれを待ちましょう」
側には数人の女子生徒とミッドナイトがいた。
("個性"の暴走?それなら、キャパオーバーしたって事か?)
でも過去に見た様子とまた違う気がして、仮死状態ではないらしいが体温は低下しているのであろう。
顔からは血の気が引いている。
俺は自然とその場に足を進め、腹部に手を当て"個性"を発動させた。
「轟君?何をしているの?」
いきなり現れた俺の行動にミッドナイトと周りの生徒が不思議そうにこちらを見ている。
「…体温を上げてるんです。多分これで回復すると思います」
以前見た状態とは違っていたが、体温が下がっているだけなら暖めればなんとかなるのではと。
案の定、体温が上がり始めた事で顔色が良くなっていくのがわかった。
「轟君、よくわかったわね?ありがとう。この調子なら保健室で大丈夫そうね。そのままお願いできるかしら?」
「はい」
なるべく揺らさないように抱き上げ、"個性"で体温を上げ続けながらゲートの外へと向かった。
そこには既に警察がいて、生徒の安否確認をしていた。
「17…18…君ら2人で20。両脚重症の彼を除いてほぼ全員無事か。その子は意識がないようだが」
「時期目を覚ますので大丈夫です」
「そうか。とりあえず生徒らは教室へ戻ってもらおう。すぐ事情聴取ってわけにもいかんだろ。その子は保健室かな?」
「はい…」
「…いや、保健室は今使えないんだった。他の部屋を用意するよう手配しよう。学校に着いたら案内するように伝えておくよ」
「わかりました」
その後、生徒はバスに乗って校舎に戻り、俺は入り口に待機していた先生に案内され仮保健室になっている部屋へと向かった。
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