第3章 原作編《入学〜USJ》
紫沫SIDE
翌朝、学校から少し離れた所で睡さんと別れ、門のところまで行くと沢山の報道陣がいた。
「何あれ…」
私は関わらない様になるべく気配を消してその場を走り去った。
そして朝のHR。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。爆豪、おまえもうガキみてえなマネするな。能力あるんだから」
「…わかってる」
「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。"個性"の制御…いつまでも「出来ないから仕方ない」じゃ通させねえぞ」
(やっぱりあれは、制御出来てなかったんだ…)
昨日の緑谷君の姿を思い出しながら、それでも誰かに止めてもらわないといけない私に比べれば何歩も前にいるんだろうなと考えていたら相澤先生の話がどんどん進んでいた。
「_______急で悪いが今日は君らに…学級委員長を決めてもらう」
「「「学校っぽいの来たーーー!!!」」」
その瞬間、クラスの大半が立候補し出してすごくびっくりした。
それから飯田君の発案で投票をして決める事に。
(私が投票するとしたら…)
結果は3票を獲得した緑谷君と八百万さんに決まった。
因みに私は八百万さんに入れた。昨日の評価の事を含めて委員長に向いてると思ったから。
午前の授業は何事もなく終わり、今日は梅雨ちゃんと一緒に昼食する事なり、食堂に来ている。
まだ知らない事の多いお互いのことを話しながら箸を進めていると、けたたましいサイレンが唐突に鳴り響いた。
「警報!?」
《セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい》
「えっ、セキュリティ3ってなんの事だろう?」
「わからないけれど、指示に従って避難した方が良さそうね」
取り敢えず避難しようと立ち上がり出口に向かっていると、あっという間に人の波にさらわれてしまい、梅雨ちゃんと逸れてしまった。
「や、ばい…これは、ちょっと…」
その上皆混乱してるせいか周りが見えてなくて、押し潰されそうな勢いだ。
身の危険を予期したその時、誰かに腕を掴まれ、引っ張られて。
「えっ…」
気付いた時には抱き締められていた。
手で頭を抑えられている為顔を上げられなくて、誰が助けてくれたのかわからない。
(一体、誰なんだろう…)
こんな状況でなければ見ず知らずの人に抱きしめられるなんて嫌な筈なのに。
(何故か動けない…)
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