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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


轟SIDE

中学生になったからといって何かが大きく変わるわけでもなく。
相変わらず学業をこなしつつ、ヒーローになる為の鍛練を続ける毎日を過ごしていた。
学年が上がってもそれは変わらず。
学校で行われる"個性"の授業では主に右ばかりを使って自主練していた時の事。
あまり使い続けると霜が身体に降りてきてしまう為、一旦休憩を挟んでいるとなんだか周りが騒がしいことに気づく。
ただの気まぐれだった。
いつもならそんな面倒なとこに自ら足を運ぶなんてしないのに。
なんとなく気になり近づくと女子生徒が中央で倒れているのが目に入る。

(あいつは確か隣の…)

教師が脈拍の確認をしていた。
側にいる女子は友達なのだろう。
意識を失っているらしく目を閉じたまま動かない。
よく見ると血の気の引いた顔色をしており、過去に右の氷結のキャパオーバーをしかけていた自分と重なって見えた。

「轟!お前の炎の"個性"でこの子の体温上げることってできるか!?」

教師が顔を上げ俺のことを見つけるなり、ハッとした表情をした後、そう問いかけてきた。

「…できます」

あまり使っていない左の炎ゆえに調整は難しいのだが、体温を上げる用途ならば自分にも使っていた為可能だ。
ヒーローを目指す者ならば人救けをすることに躊躇ってなどいられない。
左手をそいつの腹部に当て"個性"を発動すると、触れたところが予想以上に冷たいことに少なからず驚きはしたものの。
僅かではあるが体温が上がり始め、多少なりとも顔色が良くなっていくのがわかった。

「雪水はキャパオーバーで倒れて、本来なら病院に連れていくところなんだけどな。轟のお陰でその必要はなさそうだ。お前の"個性"なら大丈夫だと思うから、このまま保健室に運んでもらえるか?」
「…わかりました」

きっとこの信頼は俺ではなくクソ親父のことありきなんだろうなと頭の隅では思いつつ。
雪水という生徒の安否が先だと思い直し、なるべく揺らさない様に抱き上げると"個性"で体温を上げながら保健室へと向かった。



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