第3章 原作編《入学〜USJ》
紫沫SIDE
「いいかい!?状況設定は「敵」がアジトに「核兵器」を隠していて「ヒーロー」はそれを処理しようとしている!「ヒーロー」は制限時間内に「敵」を捕まえるか「核兵器」を回収する事。「敵」は制限時間まで「核兵器」を守るか「ヒーロー」を捕まえる事。コンビ及び対戦相手はくじだ!」
「適当なのですか!?」
それから一人ずつ順番に引いていき、すぐに組み合わせ決めが行われた。
先ず選ばれたのは、「ヒーロー」Aチーム、「敵」Dチームの組み合わせだった。
Aチームは緑谷君とお茶子ちゃん。
Dチームは爆豪君と飯田君。
「敵チームは先に入ってセッティングを!5分後にヒーローチームが潜入でスタートする。他の皆はモニターで観察するぞ!」
そして選ばれたチームは訓練の舞台となるビルに、それ以外の生徒は地下のモニタールームに移動した。
「さぁ君たちも考えてみるんだぞ!」
そう言われ、モニターへと目を向けると。
開始早々敵チームの爆豪君がヒーロー目掛けて奇襲をかけていた。
しかし爆豪君は緑谷君とだけ戦闘しているみたいで、その間にお茶子ちゃんが核兵器のある部屋まで辿り着いて。
男子二人の戦闘はどんどん過激になっていく。
(凄い…"個性"もそうだけど、身体能力が高いんだ)
私自身、実を言うと父がプロヒーローだったのもあって防衛術だからと、稽古をしてもらっていたので多少の心得はある。
爆豪君が優勢に見えていた戦況だったけど、それは一変してヒーローチームの勝利となり、緑谷君は"個性"を使った事で保健室に搬送されていった。
(…大丈夫かな。何だか"個性"の制御が出来てないみたいだった。もしかして、私と同じ?)
けれど緑谷君はこうやって授業を受けているのだから、自分とは違うのだろうと言う結論に至る。
それから、3人がモニタールームに戻ってきたところで講評が始まった。
「今戦のベストは飯田少年だけどな!!!」
「なな!!?」
「勝ったお茶子ちゃんか、緑谷ちゃんじゃないの?」
「何故だろうなぁ〜?わかる人!!?」
すると、八百万さんが手を挙げて的確に全体の評価を告げる。
「_______常に科学上達!一意専心に励まねばトップヒーローになどなれませんので!」
模範的だと言える内容に、八百万さんは轟君と同じ推薦合格者だと聞いた事を思い出した。
.