第3章 原作編《入学〜USJ》
紫沫SIDE
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う科目だ!早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」
「戦闘…」
「訓練…!」
「そしてそいつに伴って…こちら!!!」
そう言うと、壁から何かが出てきた。
「戦闘服!!!」
「「「おおお!!」」」
一気にみんなのテンションが上がる。
そう言えば、入学手続きの資料の中に被服控除というものがあったのを思い出した。
私はよくわからなくて、取り敢えずで出してしまったのだけれど、大丈夫だったんだろうか。
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!」
「はーい!!!」
早速着替える為に更衣室に向かう皆とは外れて。
私はオールマイトに呼び止められると、今日は見学のみだからとそのまま一緒にグラウンドへ行く事になった。
程なくしてやってくる気配に入口に向けた視線の先に映ったのは…
「格好から入るってのも大切な事だぜ。少年少女!!自覚するのだ!!!今日から自分は…ヒーローなんだと!!さあ!!始めようか有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!」
まるで、本当のプロヒーローを思わせる空気を纏った皆の姿だった。
戦闘服を身に付けるだけでこんなにも雰囲気が出るものなのかと、驚きと共にオールマイトの言葉を思い出しながら。
私の目は意識する事なく彼の姿を捉えていた。
(左を…隠してる…?)
そういえば以前に左は使わないと言っていたのを思い出して、少しだけそれの意味を考えたけど。
彼の戦闘服姿をこんな近くで見れたのは素直に嬉しい事だと感じながら。
1人の生徒が手を挙げて先生に質問しているのが聞こえたので、そちらへと意識を向かせた。
「先生!入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」
(この声は飯田君…?)
ヘルメットをしていたので顔がわからなかったけど、声が飯田君のものだった。
「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!敵退治は主に屋外で見られるが統計で言えば屋内のほうが凶悪敵出現率は高いんだ_______君らにはこれから「敵組」と「ヒーロー組」に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!!」
「!!?」
その言葉に次々と質問を投げかける皆に対して、オールマイトはおもむろにカンペらしき物を取り出せば、それを見ながら説明を始めた。
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