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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


「なんで…っ」

気がつくと涙が零れ落ちていた。
当たり前だった日常がこんなにも呆気なく崩れるなんて思っても見なかった。
確かにテレビでは殺人事件だとか毎日のように報道されてはいるけれど、まさか自分の身に起こる日が来るなんて誰も思わない。
少し前まで側にいたのに。卒業おめでとうって言ってくれていたのに。もうその人達はいない。

「…また、日を改めよう」

私はただ泣くだけで何も言えず、警察の人はそのまま部屋を出ていった。
その後、看護師の人が来てずっと背中をさすってくれていたけど、涙が止まる事はなくて、結局その日は泣き疲れてそのまま寝てしまっていた。
そして、翌日にまた警察の人が訪れた。


「…昨日はすみませんでした…」
「いやいや、こちらも済まない。そっとしてあげられなくて、寧ろ傷口を抉るような事をしていると思っているよ」
「いえ、私も何がなんだかわからないので、お話を聞きたいと思っていました」
「そうか…ではまず、こちらでわかっている事を話そう。昨日も話したけど、御両親はとても残念だった…実はね、プロヒーローに通報が入っていて駆け付けたらしいんだけど、その時には既にことが終わっていて、君たち3人が床に倒れているのを発見し、すぐに病院に搬送したと言うのが事の顛末なんだ」
「…そうだったんですか…」

結局は何もわからないまま…

「答えられる範囲で構わない。君が覚えている事を教えてくれないか?」
「……全部覚えていますけど、でも私もわからないことだらけなんです。あの日卒業式の日で友達と打ち上げに行くからと両親は先に家に帰りました。そして、私が帰ると既に両親は床に倒れていて…あっ、顔とかはよく見えなかったんですけど、知らない人がベランダに立っていたんです」
「そいつの事で思い出せる事はあるかな?」
「…多分男でした。声を聞いたので。少なくとも子供ではなかったですし、老人というわけでもありませんでした。背は170はあったと思います」
「成る程…そいつが何と言っていたか覚えてるかな?」
「えっと…やっと見つけたとかこんな大事にしていると壊したくなるとかで…そういえば、手に結晶を持っていてそれを壊していました。多分あれはお母さんの"個性"で作ったものだったと思います」
「その結晶は一体なんだったんだい?」



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