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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


「マジかよ…もしかして、これ契約の結晶だった?…これは想定外だ。これに巻き込まれるわけにはいかない。今日は挨拶だけにしとくよ。それじゃぁ、またね、雪水紫沫」

そう言ってその人影は姿を消した。
暴走した"個性"止める術がわからず、どんどん威力を増していく一方だ。

(こんな"個性"知らない…っ誰か助けて……)

急な"個性"の変化に身体が付いてこなかったのか、すぐに体温が低下して意識が遠のいて。
そんな中、私の頭によぎったのは綺麗な氷を生み出す紅白頭。

(と、どろき…くん……)

そこで私の意識は途切れた。

















意識が浮上する。
ゆっくりと瞼を上げれば、目に入ってきたのは見慣れぬ天井。

「……病院…?」

また仮死状態になったのだろうか。
意識を失う前のことを思い出そうとした瞬間、床に倒れた両親の姿がフラッシュバックし、私は飛び起きた。

「あ…あ…っ」

あの時の恐怖が私を襲う。
感情が言うことを聞かなくて、また"個性"が発動してしまう。
そう思った時、誰かが慌てて駆け寄ってきて、私の腕に何かを刺した。

「雪水さん、もう大丈夫だから。落ち着いて」

少しして気分が落ち着いたのがわかった。
よく見ると隣には看護師さんらしき人。

「ゆっくり、深呼吸して…そう……落ち着いた?」

看護師さんの言う通りに何度か深呼吸を繰り返している内にすっかり気分は治って。
私は首を縦に振りその意思を伝えた。

「医師(せんせい)呼んでくるから、ちょっと待っててね?」

程なくして医師が現れると。
いくつか検査をした後に、この後警察の人が来ると言われた。
もしまだ不安定なようなら先延ばしにすると言ってくれたけど、私自身状況がわからないのが嫌で来てもらうことになった。

「やぁ、初めまして。塚内と言います。起きてすぐなのに申し訳ないね」
「…初めまして、雪水紫沫です。あの、両親は…」

一番気になっていた事が口を突いて出ていた。
知りたいけど、知りたくない。

「…とても、残念だったよ…」

わかっていたけど、認めたくなかった。
あの光景を目の前にしてその選択肢がなかったわけじゃない。
寧ろ、それが一番最初に思い浮かんだくらいだ。
それでも、あまりに急で私は少しの間現実を受け止められなかった。

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