第2章 中学生編
紫沫SIDE
あれから月日は流れて、中学二年生も残りあと僅かになった。
どんなに気持ちが前に進まなくても、時間は止まることなく流れていく。
時間の流れは私のことを少し冷静にしてくれた。
何で離れて行ってしまったのか…
きっと、きっかけはあの日。
私を送ってくれた後にもしかして何かあった?
もしくはその時から既に何か考えていた?
轟君の考えている事が分かった訳ではない。
けど、離れた訳は、きっと気持ちがなくなったからとかじゃない気がする。
(あの時、何であんなに寂しそうな顔をしていたの?)
何か他に理由があったんだと思った。
その理由が何なのかはわからないけれど、私と離れる事が答えなら、私はもう轟君の傍にいる事はできない。
(でも、この気持ちはどうしたらいい?)
忘れたくても忘れられない。
無くそうとしても消えてくれない。
轟君を好きな気持ちに蓋をすることなんて出来なかった。
(想ってるだけならいいかな。言われた通り、これ以上近づいたりしないから。轟君が好きでいる事を許して下さい…)
そんな思いを抱きながら、相変わらず私の目は轟君の事を追いかけている。
(まただ…最近日に日に痣が増えていってる気がする…)
あの日から轟君はずっとあの鋭い目つきをしていた。
何でずっとそうなのか、気にはなるけど、近付かないと決めたのだから、私はただ見ている事しか出来ない。
(それでも、せめて、あの痣はなんとかしてあげたい…)
手を伸ばせない事がもどかしくて仕様がなかった。
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