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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


あの日、轟君に言われた誕生日に欲しい物が思い浮かばず、私は悩んでいた。

「華純、プレゼント貰うとしたら何がほしい?」
「何かくれるの?」
「轟君にね、誕生日プレゼント考えといてって…」
「成る程。紫沫の誕生日もうすぐだもんね」
「うん…だけど、欲しい物がなくて…」
「物欲無いなぁ。…そうだ、紅白頭君の物をもらったら?」
「どういう事?」
「最近そういうの流行ってるらしいよ?彼氏が身につけてる物をもらうんだって」

轟君が身につけてるもの…?

「確かにちょっと欲しいかも…」
「ほほう」

あ、これは失言だったかもしれない。
幼馴染の顔がニヤニヤし出した。

「でも、それって、向こうからしたら嫌じゃ無い?」
「それは相手次第じゃないかなぁ」
「そうだけど…」
「でも、今欲しいって思ったんでしょ?」
「う、うん…」
「それ以外何か欲しいものある?」
「…ない」
「ほら、答え出た」
「…轟君もだけど、華純もなんでそんなあっさり私の答えを出してくれるんだろう?」
「それはね、紫沫の中ではもう答えは出てるからだよ。それに気付いてないだけで。だから、私が出してるんじゃなくて、紫沫が出した答えを言ってるだけ」
「何それ、エスパー?」
「違う」

と、ものの数分で私の悩みを解決してくれた幼馴染は本当に私の良き理解者だ。
でも、本当に轟君に言って、引かれたりしないだろうか…

(なんかちょっとそれって、危ない感じしないかな…)

けれど、それ以外に何も思い浮かばなくて、あっという間に私の誕生日当日を迎えてしまった。
丁度学校が休みの日で、轟君の家に誰もいないからと、例の如く私は轟君の家にお邪魔しているのであった。

「何が欲しいか決まったか?」
「えっとね…もし迷惑じゃなかったらなんだけど…」
「なんだ?」
(これは、まず口にするのが恥ずかしいやつだ…)

声に出して言おうとするも、なかなか言えなくて、じっと轟君がこちらを見ている。
見られ続けるのにも耐えかねた私は漸くその言葉を発した。

「と、轟君の…身につけてる物が…欲しいな…」
「俺が身につけてる物?」

言ってしまった。
私は轟君がどんな反応をしているのかを見るのが怖くて、俯いたままそれ以上何も言えずにいた。


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