第2章 中学生編
紫沫SIDE
年末年始はお互い家で過ごし、メッセージで新年の挨拶を送り合った。
クリスマスにもらったネックレスを見るたびにやけていたら、お母さんに見つかって。
付き合ってる人がいると白状したら、なんと公園で2人でいるとこを見られていたらしい。
幸い帰り際のことはバレてないようだ。
冬休みはあっという間で、すぐに3学期が始まった。
「紫沫、おはよー!」
「華純、おはよ!」
朝の時間が被ることの多い幼馴染とは途中から一緒に登校することに。
「そう言えば、プレゼントはもう決まった?」
「プレゼント?クリスマスのこと?」
「…もしかして、知らない?」
「え?」
「紅白頭君の誕生日」
驚きから歩く足が止まった。
そういえば、誕生日がいつかを知らない。
「あー、私言ってなかったっけ?」
「…聞いてないけど、何で知ってるの?」
何故面識のない幼馴染が轟君の誕生日を知っているのか。
「私の情報収集力なめてもらっちゃぁ、困る。因みに、1月11日だよ」
「…もうすぐじゃん!」
「だから、聞いたんでしょ?決まった?って」
「もう少し早く聞いて欲しかった…」
いや、知らない私がいけないんだけど…
何で知ろうとしなかったのか…誕生日なんて友達なら聞かなくてもいつの間にか知ってるようなものなのに。
「あと数日あるからまだ間に合うって!」
「そうだけど…クリスマスプレゼント決めるのだってすごく時間かかったのに…あと数日しかないなんて…」
男子にプレゼントなんてしたことがなかったのもあり、あのネックレスを買うのもとても悩んだ。
あと数日しか猶予がないなんて、決められる気がしない。
「因みにクリスマスは何だったの?」
「…ネックレス」
「もしかしてペア?」
「ペアじゃないよ!?」
「そんな思いっきり否定しなくても」
「あ、いや…轟君もね、ネックレスだったから…」
「…何その以心伝心」
「私もびっくりした」
「3学期早々ご馳走様です」
「そんなんじゃないから!」
始業式が終わると授業はなく、すぐに帰る時間になって、誕生日プレゼントのことが頭から離れないまま轟君との待ち合わせ場所へと向かい。
その日から数日間、私はプレゼントのことで頭を悩ませ続けることとなった。
.