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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫 SIDE


緑谷君がワンパンされたのを皮切りに。
残りの皆も同様に一発で落とされてしまい、眼前にはクラス全員が床にうずくまる姿が広がっていた。
考える余地のないまま、先輩との戦闘は終わりを迎えたのだ。

「誰も、先輩にダメージを与えられないなんて…」
「一方的にやられちまったな」

先輩の"個性"を知らなかったとはいえ、殆どの生徒は手も足も出せないまま。
改めて説明をするからと、一つ場所に集まるよう先生からの号令がかかる。

「ギリギリちんちん見えないように努めたけど!!すみませんね女性陣!!とまア――こんな感じなんだよね!」

すっかり意識が先輩の強さに引っ張られてしまってたので気にかけてなかったけど…
縦横無尽にこの場を駆け巡っていたその姿は生まれたままの姿だった。
"個性"の関係だとは思うけど…対戦相手が全裸で迫ってきたらちょっと躊躇してしまうかもしれない。

「わけもわからず全員腹パンされただけなんですが…」
「俺の"個性"強かった?」
「強すぎっス!」
「ずるいや私の事考えて!」
「すり抜けるしワープだし!轟みたいなハイブリッドですか!?」

何も轟君や私だけが異なる能力の"個性"を持ち合わせている訳じゃない。

「先輩も複合型の"個性"…?」
「どうだろうな」

それは強"個性" とも言えて、ある意味チートとも言える。
雄英でトップに立つ人ならそんな"個性"を持っていてもなんら不思議ではないけど…
それだけでトップになれる程ヒーローの世界はきっと優しい場所じゃない。
最難関と言われるこの学校で、様々な"個性"を持った皆が日々切磋琢磨する姿を見てきたから。

「多分だけど、"個性"が強いだけじゃない気がする」
「俺らにはまだ足りねェ強さ…」

ただ見ていることしか出来なかったけど、それでも学べることはなんでも吸収していかないと。
皆よりも一歩後ろにいるなら尚更、少しの遅れが大きな差になりかねない。

「私、知ってるよ"個性"ねぇねぇ言っていい?言ってい!?」

波動先輩が私達の疑問の答えを教えてくれる素振りに、自然と耳はそちらへと傾いた。


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