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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫 SIDE

「トーカ」
「波動さん、今はミリオの時間だ」
「いや一つ!!「透過」なんだよね!君たちがワープと言うあの移動は推察された通りその応用さ!」

通形先輩の"個性"はハイブリッドではない。
ということは、未解決の謎がまだ残っていて。
その解明に誰よりも前傾姿勢だった緑谷君の声が1番に上がった。

「どういう原理でワープを…!!?」 
「全身"個性"発動すると俺の体はあらゆるものをすり抜ける!あらゆる!すなわち地面もさ!!」
「あっ…じゃああれ…落っこちてたってこと…!?」
「そう!地中に落ちる!!」

そういえば地上から姿が消えた時、ズボンがその場に取り残されていた。
衣服も透過してしまうから、全裸だったのか。

「そして落下中に"個性"を解除すると不思議なことが起きる。質量のあるモノが重なり合うことは出来ないらしく…弾かれてしまうんだよね。つまり俺は瞬時に地上へ弾き出されるのさ!これがワープの原理。体や向きのポーズで角度を調整して弾かれ先を狙うことができる!」
「…?ゲームのバグみたい」
「イーエテミョー!!」
「でも、地中に落下するって…想像するとちょっと怖いな…」
「そうか?アトラクションみてーで楽しそうじゃね?」
「足元から落ちるのは苦手だなぁ」

上鳴君の言うようにアトラクション感覚で捉えれば、まるでトランポリンを飛んでる様な感じなのかもしれないけど…

「攻撃は全てスカせて自由に瞬時に動けるのね…やっぱりとっても強い"個性"」
「いいや、強い"個性"にしたんだよね。発動中は肺が酸素を取り込めない。吸っても透過しているからね。同様に鼓膜は振動を、網膜は光を透過する。あらゆるものがすり抜ける。それは何も感じることができず。ただただ質量を持ったまま落下の感覚だけがある…ということなんだ。わかるかな!?そんなだから壁一つ抜けるにしても、片足以外発動→もう片方の足を解除して接地→そして残った足を発動させすり抜け。簡単な動きにもいくつか工程が要るんだよね」
「急いでる時ほどミスるな。俺だったら…」
「おまけに何も感じなくなってるんじゃ動けねー…」

通形先輩の"個性"は想像を超えて、感覚的に使うには難点のあるものだった。
でも、私が目にしたのはデメリットを感じさせないスピード感溢れる動きだった。

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