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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫SIDE


いよいよ本題に入るのかと思った矢先。

「けどしかし、ねえねえところで君は何でマスクを?風邪?オシャレ?」
「!これは昔に…」
「あら、あとあなた轟くんだよね!?ね!?何でそんなところを火傷したの!?」
「……!?それは――…」

予想していたのとは全く別の方向に向かった話題に、驚きやら戸惑いやらでその内容がセンシティブなものだと気付く頃には既に標的は他へと移っていた。

「芦戸さんはその角折れちゃったら生えてくる?動くの!?ね?峰田くんのボールみたいなのは髪の毛?散髪はどうやるの!?蛙吹さんはアマガエル?ヒキガエルじゃないよね?どの子も皆気になるところばかり!不思議」
「天然っぽーい。かわいー」
「幼稚園児みたいだ」
「オイラの玉が気になるってちょっとちょっとーー!?セクハラですって先パハァイ!!」
「違うよ」
「ねえねえ尾白くんは尻尾で体を支えられるの?ねえねえ答えて。気になるの」

テンポ良く出てくる質問に思考回路の追いつく隙がなくて、焦凍君の様子を気にすることも出来ずにただ眺めているだけになっていると。
この状況に痺れを切らした相澤先生の静かに制する声が聞こえた。

「合理性に欠くね?」
「イレイザーヘッド安心してく下さい!!大トリは俺なんだよね!」

逸早く、それに応えたのはビッグ3最後の一人。
三度目の正直だと、この空気を覆してくれる一言を期待したのも束の間…

「前途ーー!!?」
「!?」
(ゼント…って何!?)

先輩は耳に掌を当て腰を折り、こちら側に身を乗り出しているけれど。
なんの前触れもなく放たれた三文字の持つ意味を、教室の誰もがすぐに理解することは出来ず、無言の間が流れる。

「多難ー!っつってね!よォしツカミは大失敗だ」

コールアンドレスポンスが盛大に空振りしたにも関わらず、その勢いは衰えることなく、天喰先輩とは正反対の打たれ強さを持つ先輩のようだ。
次から次へと襲ってくる予想外な出来事に、当初の目的がなんだったのかわからなくなってくる。

「3人とも変だよな。ビッグ3という割には…なんかさ…」
「風格が感じられん…」

三者三様の癖の強さに、目の前にいる3人に対してビッグ3という通り名の印象は薄れかかっていた。


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