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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫SIDE


ビッグ3の先輩に小さな憧れを抱き始めていた私は、相澤先生の次の言葉に興味を引かれた。

「じゃ手短に自己紹介よろしいか?天喰から」

改めて自己紹介をしてくれるらしい天喰と呼ばれた先輩に、私も含めたクラス中の注目が集まる。
その途端に威圧感のある目つきて睨み返された。
ビリビリと肌に突き刺さってくる迫力に、好き勝手喋っていたクラスの子達は一気に口を閉ざした。

「駄目だ…ミリオ…波動さん…ジャガイモだと思って臨んでも…頭部以外が人間のままで依然人間にしか見えない。どうしたらいい。言葉が…出てこない」
「!?」

しかし次いで聞こえてきた声は印象とは正反対に、ボソボソとしていて、何だか体も小刻みに震えている。

「頭が真っ白だ…辛いっ…!」

ついさっき向けられた凄みのある眼力はなんだったのか…クラスの視線から逃げる様にして背を向けられ、黒板に額を押し当てながら最後のダメ押しに。

「帰りたい……!」

それはまるで猿回しの猿がする「反省」のポーズの様に見えて。
第一印象とはまるで違う姿にクラスの誰もが心の中で思った。

(((ええ…!?)))
「雄英…ヒーロー科のトップ…ですよね…」

最前列でビッグ3に一番近い尾白君が問いかけると、天喰先輩に代わり隣に立つ女の先輩が口を開いた。

「あ、聞いて天喰くん!そういうのノミの心臓って言うんだって!ね!人間なのにね!不思議!彼はノミの「天喰 環」」
(言い方…!?)

穏やかな雰囲気の見た目に反して辛辣な言葉をことも無げに吐く女の先輩にも驚いたけど。
それ以上に天喰先輩の小心っぷりに驚いて、ヒーローを目指してるからといって誰しもが自信に満ち溢れているというのは少し偏見だったのかもしれない。
英雄科に在籍していても、1人の人間ーー…学生なのだから気の強い人もいれば弱い人がいてもなんらおかしいことはない。
勝手にだけど、何だか少し天喰先輩に親近感を覚えた。
そして、女の先輩は隣を気にすることなく話を続けた。

「それで私が「波動ねじれ」今日は"郊外活動(インターン)"について皆にお話ししてほしいと頼まれて来ました」
(インターンの、どんな話をしてくれるんだろう)

早速体験談が聞けるのだと、波動先輩の話に集中すべく、耳を傾けた。


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