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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫SIDE


「2人とも少しジッとしててね?」
「え?うん。それは構わないけど…どうしたの?」
「…まさか、てめェ」
「あ、そっか。爆豪君は経験済みだったよね」
「経験済み!?一体何の事!!?」
「うっせぇ!黙ってろ、クソデクが!」

口を動かし続けると先に進めなさそうだから、説明するのは省いて"治癒"を発動させた。
2人を包む様にしてキラキラとした雪の結晶が舞い落ち始める。

「リカバリーガールみたいに完治させる程の治癒力はないんだけど…軽症なところはこれで良くなるはずだよ」
「わっ…これが雪水さんの"治癒"なんだ。僕初めて見るよ」
「授業では"雪"ばかり使ってたからね。こっちは戦闘向きじゃないし、"個性"伸ばしも"雪"の方をしてたらこっちも多少伸びてたみたいで必要以上には使ってなかったんだ」

会話をしながらも発動し続け、ある程度効果が現れているであろうと怪我の具合を確認してもらう。

「オイ、治ってねーぞ?」
「え?あれ?おかしいな…今はもう普通に使える筈なのに…ごめん。もう一度してみるね」

"治癒"が発動したばかりの頃は上手く発動させられずにただの雪だったことが屡々あったけど、就学してからはそれも殆どなくなり思い通りに使えていたのに。
意思に沿わず発動されてないなんてことは今更ないともう一度"治癒"を発動させる。

「…どう?」
「えっと…」
「変わんねェよ」
「おかしいなァ…」

今度こそはと確実に"治癒"を発動したつもりだったのに、結果は同じで発動したのはただの"雪"だった。

「あの、もしかしたら調子が悪いのかもしれないよ!」
「つーか、こん位の傷でわざわざ治して貰う必要ねェわ」
「あ、うん…」
「そういえば朝の清掃まだ途中だったよね!もし体調悪い様なら僕達が代わりにやっておくから雪水さんは部屋で休んでる?」
「ううん、大丈夫。気を遣ってくれてありがとう。女子棟の掃除、続けて来るね」

体調が悪いなんて自覚はなかったけど、これ以上は迷惑をかける気がした。
朝の掃除を黙々とこなしながら何故発動出来なかったかを考えてみるけど思い当たる節が見当たらず。
幼い頃の経験もあってただの不調であれば時と共に回復するだろうと、少し様子見すれば元通りになるだろうと。
下校時間になり皆か帰って来る頃には、小さなモヤモヤを気のせいにしていた。


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