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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫SIDE


ゴミ捨てから戻っても何だかんだと焦凍君とはあまり話せず終いで、誘われるまま夕食を女子棟の食堂で済ませてから男子棟に顔を覗かせてみたけどそこに焦凍君の姿はなかった。
就寝時間には少し早いけど、謹慎中だし反省文もまだ途中になっている。
大人しく自室に戻って机に向かい反省文を仕上げ、ベッドの中へと身を沈めた。

(同じ寮内にいても話すことがままならないなんてこともあるんだなァ…)

少し会えないだけでも物足りなさを感じて、高校生活に於いて焦凍君と過ごすことが当たり前になっていると改めて実感をした。
雄英に来る前は姿を見ることすら稀になっていたのに、随分と欲張りになったものだ。
謹慎で生活がズレたのはある意味良い機会なのかもしれない。
部屋の明かりを消して、瞳を閉じて。
こうしてそれぞれに過ごす時間も必要だろうかと巡ったりもするけど、結局のところ焦凍君のことばかり考えてしまっているのは恋しさが故で。
意識が睡魔に引き込まれていくのと一緒に心も素直な気持ちに引っ張られていく。
焦凍君に会いたいと想いを馳せながら、眠りの中へと落ちていった。

翌朝、今日まで謹慎の為ジャージに着替え、一階の食堂で朝食を済ませれば朝の清掃に取り掛かなければならない。
昨夜馳せた想いとは裏腹に朝の時間に焦凍君と顔を合わせたのは学校へ向かうその姿を見送る時だけだった。
下校するまで会えないのならばしっかり今日の務めを果たし、明日からは一緒に登校できると言い聞かせ今日が謹慎最終日であることを再確認したところで。
私が一足先に抜ければ残るは…と巡らせた思考に連なって向けた目に入ってきたのは、全身に手当ての痕が残る痛々しい姿をした2人。
あの晩からまだ日が浅いのもあるけど怪我の具合は見るから完治には遠く感じて、見て見ぬ振りすることが出来なかった。

「怪我、少しは良くなってきてる?痛みとかない?」
「うん。痛みに関してはそれ程酷くはないよ」
「これ位何ともねェわ」

痛みが酷いならとっくにリカバリーガールの元へ行ってるんだろうけど、相澤先生に勝手に治せと言われてる手前、素直に行かないことも考えられる。
リカバリーガールの様に完治させる事は出来ないけど、自分にも備わる"個性"を使わない手はない。
幸いにも私の"治癒"が使用禁止だとは言われていないのだから。

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