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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


「逆恨みってそんな物騒な…」

確かに少女漫画とかでそういうのを見た事はあるけど、でも実際そんな事する人なんて聞いたことない。

「あのね、紅白頭君隠れファンクラブがあるのは言ったよね?」
「うん…」
「そこの会長がヤバいみたいなんだよね」
「え、そんなこと前は言ってなかったよね?」
「いや、まさか本当に付き合うなんて思ってなかったから」

そう言って、幼馴染は乾いた笑みを浮かべた。
確かに、私も想いが通じるなんて思っていなかったから否定はできないんだけどね。

「兎に角、そういう事だから、なるべくバレないようにした方がいいと思う」
「でも、どうしたらいいの?」
「んー、学校ではなるべく喋らないとか?」
「…挨拶は?」
「今朝のを見ちゃうとなんとも言えない…」
「うっ…」

これはもう絶望的なのではないだろうか。

「一回紅白頭君に相談してみたら?」
「え、本人に言うの?」
「まぁ…でもこの際仕方ないよ。当事者なわけだし」
「そうだけど…なんか言いづらいな…」

何だか人の告げ口をしてるみたいな気がしてならない。
でも、折角席が離れてもお喋りできそうな感じになったのに、このまままた前みたいになるのは嫌だな…

「ちょっと考えてみる…」
「…うん。そろそろ戻ろっか」
「そうだね…」

お互いにそのあとは無言で教室に戻っていった。
午後からも結局お昼の話が気になって、その日一日私は轟君に声をかけに行く事が出来なかった。
そして、放課後。
今私は轟君と一緒に帰っています。

「…」
「…」

HRが終わって帰り支度をしているところに、轟君が一緒に帰ろうとやって来たのだ。
もちろん本来ならば嬉しい事なんだけれど、お昼の一件があった為素直に喜べず、取り敢えずこのままではまずいと思い、逃げるようにして学校の門を出た。
きっと轟君も流石に何か変だと思っている。
さっきからお互い無言のままだ。

「…なんかあったのか?」

沈黙を破ったのは轟君だった。

「えっと…」
「今日一日ずっと様子おかしかったろ。気にはなってたんだか、昼休憩も姿が見えねぇし、放課後なら話が聞けると思って帰りに誘った」
「あ、そうだったんだ。ごめん…」

まさかずっと気にかけてくれていたなんて思わなくて、なんだか申し訳ない気持ちになった。


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