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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第12章 原作編《デクvsかっちゃん》


紫沫SIDE


寮の扉を開けた瞬間、修羅か悪鬼の様な顔をした相澤先生が待ち構えていた。
私の存在は知らなかったのか少し驚いた様子で、しかし規則違反を犯したことには変わりないと。
全身ボロボロの二人を医務室へと連行するのに有無を言わさないオーラを漂わせ私も同行を余儀なくされた。
無言のまま二人の処置を終えると、溜めに溜めた怒りをここぞとばかりに言葉と、二人には捕縛というオプション付きで放たれる。

「試験終えたその晩にケンカとそれを観戦するとは元気があって大変よろしい」
「相澤くん待って、捕縛待って。原因は私にあるんだよ」
「はい?原因?何です」
「爆豪少年は私の引退に負い目を感じていたんだ…そのモヤモヤを抱えたまま試験に臨ませ…結果、彼の劣等感が爆発した。気付けずメンタルケアを怠った…大人の失態が招いたケンカだったんだ。そしてその気配にイチ早く気付いた雪水少女はクラスメイトとして二人の動向を慮るあまりに至った行動だった」

相澤先生の「原因」に思わず「マズイ」という顔で反応してしまった生徒三人に対して、オールマイトが流石というべきか上手くかい摘んで説明をしてくれたお陰で捕縛の手は緩められた。

「…んん……だからルールを犯しても仕方ない…で済ますことは出来ません。然るべき処罰は下します。先に手ェ出したのは?」
「俺」
「僕もけっこう…ガンガンと…」
「爆豪は四日間!緑谷は三日間!雪水は二日間の寮内謹慎!その間の寮内共有スペース清掃!朝と晩!!+反省文の提出!!怪我については痛みが増したりひかないようなら保健室へ行け!ただし余程の事でなければ婆さんの"個性"は頼るな。勝手な傷は勝手に治せ!」

ここまでほぼ息継ぎなしと言える勢いに少し圧倒され、下された処罰に反論の余地はない。

「以上!寝ろ!」

大人しく医務室を後にしエレベーターに乗る直前、爆豪君を呼び止め、緑谷君は一足先に部屋へと帰っていった。
相澤先生に寝ろと言われた手前一刻も早く部屋に戻らないと、もし見つかればまた何を言われるかわからない。
それはわかっているけど、どうしても、グラウンド・βからの帰り道に見た爆豪君の素振りが気になって。
その原因に私は無関係ではないと思ったから。
文句の一つでも言われると多少覚悟をしていたけど、無言で爆豪君はその場に残ってくれた。
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