第12章 原作編《デクvsかっちゃん》

紫沫SIDE


「ってことは…ずっと見てたって事、かな？」
「そういう事、だね…ごめんなさい！まさかあんな重大な秘密があるなんて…それについての事だったとは思わなくて…！」
「いや、これは不慮の事故というやつだろう。知ってしまったなら仕方のない事だ」
「オールマイト…」
「気付けなかった僕達にも責任はあるから…」
「っとに、てめェは何してやがんだよクソがっ」
「こうなった以上爆豪少年と雪水少女にも納得いく説明が要る。特に爆豪少年に対してはそれが筋だ」

オールマイトは話してくれた。
巨悪に立ち向かう為代々受け継がれてきた力だということ。
その力でNo.1ヒーロー・平和の象徴となったこと。
傷を負い限界を迎えていたこと。
そして後継を選んだこと。

「暴かれりゃ力の所在やらで混乱するって…ことか。っとに…何でバラしてんだクソデク…」
（爆豪君のそれはブーメランなんじゃ…）

思い浮かべたけど、隠れて後をつけた私の方に否が大きいかもしれないとグッと飲み込んだ。

「私が力尽きたのは私の選択だ。さっきも言ったが、君の責任じゃないよ」
「……」

爆豪君の何かを考えてる素振りが少しだけ気になった。
もしかしたらまだ完全に納得しきってはいないのかもしれない。

「結局…俺のやる事は変わんねぇや…」
「うん」
「ただ、今までとは違え。デク、俺も全部俺のモンにして上へ行く。"選ばれた"おまえよりもな」
「じゃっ…じゃあ僕はその上を行く。行かなきゃいけないんだ…！」
「……だから、そのてめェを超えてくっつってんだろが」
「いや、だからその上を行かないといけないって話で…」
「あ゛あ゛！！？」

二人が同中出身で幼馴染だということは周知の事実だったけど、その関係性をこんなにも近くで目の当たりにしたのは初めてで。
私にも幼馴染がいるけど随分と違うなと思うのと同時にこれが二人にとってのいつもで、コミュニケーションの仕方なんだと。
爆豪君が緑谷君を一方的に攻め続けてるんじゃないって思えるようになっていた。

.