• テキストサイズ

【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第12章 原作編《デクvsかっちゃん》


紫沫SIDE
 


「……そんなん…聞きてえワケじゃねンだよ」

口ではそう言ってるけど、オールマイトの言葉を聞いて同じタイミングで顔を見合わせた二人を見て、きっと納得はしてるんじゃないかと思う。
ただ素直に認められないから憎まれ口を叩いているだけで。
爆豪君はその場に座り込み膝に顔を埋めると小さな呟きを漏らした。

「おまえ、一番強え人にレール敷いてもらって…敗けてんなよ」
「……強くなるよ。君に勝てるよう」

爆豪君から緑谷君へ、「敗けるな」なんて言葉が出て来たことがオールマイトの言葉は合ってるんだという証拠な気がして。
そんな二人に思わず胸の内は綻んで、心が弾んだ。

「ハア…デクとあんたの関係知ってんのは?」
「リカバリーガールと校長…生徒では君だけだ」

その言葉を耳にした瞬間、傍観を決め込んでいたことに対してハッとした。
すっかり忘れていたけど、ここに来てすぐに聞いたとんでもない事実の根源となる人が目の前にいる。
そして身を隠している自分はその人の言う「知ってる人」に含まれてはいない。

「バレたくねェんだろ、オールマイト」

一部始終を見ていたから、私は知ってしまった。
総てではないかもしれないけど、とても重要な秘密を。

「あんたが隠そうとしてたからどいつにも言わねえよ。クソデクみてえにバラしたりはしねぇ。ここだけの秘密だ」

そしてそれは当人達におよそ隠し通してはいけない事だと今更ながらに気付いて。
咄嗟に身を乗り出した。

「秘密は…本来私が頭を下げてお願いすること。どこまでも気を遣わせてしまって…すまない」
「遣ってねぇよ。言いふらすリスクとデメリットがデケェだけだ」

ずっと隠れていた事に少なからず負い目があり動作に躊躇いが生まれて、近づいて声をかけるまでに話が進んでしまい、どうしたものかと思っていたら。
オールマイトの背後に現れた私と緑谷君の目が合った。

「…雪水さん!?」
「何!?」
「は…?何で、雪女がこんなとこに…」
「えっと、その…実はたまたま二人のことを見つけて、何だか気になって後をつけちゃって…こんな事になるとは私も思ってなくて…」
「クソッ、後つけてんじゃねェよ…」
「ご、ごめんなさい…」

仰る通りで反論する余地もない。
ひたすら頭を俯かせる事しかできなかった。


.
/ 456ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp