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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


次の日、しっかりアラームのなる前に起きた私は、いつもより少し早く学校へと着いていた。
まだ、教室の中の人はまばらで、轟君もまだ来ていない様子だった。

(今日は轟君の席まで行って挨拶しよう)

そう意気込んで、轟君が来るのを今か今かと待っていると、程なくしてその姿が目に入ってきた。
まだチャイムまでは余裕があるし、人もそんなに多くない。
行くなら今だと席を立ち上がり、轟君の方へと足を伸ばした。
すると、私が近づいてきたことに気づいたみたいで、視線がこちらに向けられて。

「今日は早ぇんだな」
「うん、遅刻しないようにって言われたから…」

挨拶しようと近付いたのに、昨日の帰り際のことを思い出して、頬が少し赤くなっていくのを感じる。

「また、赤くなってるな」

そう言って、轟君は何のためらいもなく私の頬に触れてきた。
その手は少し冷たくて、きっと冷まそうとしてくれているのだと。

「あ…"個性"…」

火照った顔にはそれはとても気持ちの良いものだったけれど、本来それは使ってはいけないもの。

「これ位ならバレねぇ」
「そう、だね…」
「もう大丈夫か?」
「うん、ありがとう」

轟君のお陰ですぐに火照りは消え、その手は離れていった。

「それと、おはよ」
「ああ、おはよう」

そして、本来の目的である挨拶を交わした。

「ねぇ、またお喋りしに来ていい?」

いつからこんな積極的になったのか、自分でもわからないけれど、何だか今なら言える気がした。

「同じようなこと前にも聞かれた。わざわざ聞く必要ねぇ」
「そう言えばそうだね。なら、また来るね?」
「ああ」

そして、私は自分の席へと戻って行くと。
すぐにいつまにか来ていた幼馴染が私の席にやってきた。

「ちょ!紫沫今の何!?」
「え?」
「いや、2人の間の空気だけなんか違ったよ!?」
「ちょっと、意味がわからないんだけど…」

幼馴染には昨日の夜に電話で事の成り行きを簡単に説明したから、想いが通じたことは知っている筈。
なのに、何故こんなにも驚いた表情をしているのだろうか?

「…いや、うん。2人がそれでいいなら私はいいんだけどね…でも、気をつけた方がいいよ。あれはすぐにバレる」
「バレる?」
「2人が付き合いだしたこと」
「…え!?」



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