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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第11章 原作編《仮免試験》


紫沫SIDE


《合格した皆さんはこれから緊急時に限りヒーローと同等の権利を行使できる立場となります。すなわち敵との戦闘、事件、事故からの救助など…ヒーローの指示がなくとも君たちの判断で動けるようになります。しかしそれは君たちの行動一つ一つにより大きな社会的責任が生じるという事でもあります》

壇上の目良さんが合格者に対して続けた言葉は…
平和の象徴を失ったこれからは世の中の均衡は崩れていきいずれここにいる全員が矢面に立つ時に抑制できる存在とならねばならないとこれから更に精進に励んで欲しいという内容で。
それを告げ終えると、次に語られたのは…

《そして…えー、不合格となってしまった方々。点数が満たなかったからとしょげてる暇はありません。君たちにもまだチャンスは残っています。三か月の特別講習を受講の後、個別テストで結果を出せば君たちにも仮免許を発行するつもりです》

不合格者に対する名誉挽回の話だった。

「!?」
「チャンス…!?」
《今、私が述べた"これから"に対応するにはより"質の高い"ヒーローがなるべく"多く"欲しい。一次はいわゆる"おとす試験"でしたが選んだ100名は、なるべく育てていきたいのです。そういうわけで全員を最後まで見ました。結果、決して見込みがないわけではなく、むしろ至らぬ点を修正すれば合格者以上の実力者になる者ばかりです》

よく考えればこれに落ちたからってそれで道が途絶えたわけではない。
特別講習は学業と並行で忙しくなるし、次回の試験を受けるという選択肢もあるらしいけど。
折角用意されたチャンスをみすみす逃すなんてことする筈がなかった。

「当然」
「お願いします!!」
「やったね、轟くん!!」
「やめとけよ。な?取らんでいいよ。楽にいこ?」
「すぐ…追いつく」
「私も、一緒に追いつきたい」
「紫沫も、落ちたのか…?」
「うん。合格者の中に名前を連ねられなかったよ」
「俺もだ。まさかここで歩みを共にするとはな」
「ある意味約束通りだね?」
「あまり喜べる事じゃねぇが……改めて、一緒に頑張ろう」
「もちろん!」

漸く交わせた言葉はどちらも残念な結果だったということで。
もしこれが1人だったとしても必死に追い付こうと頑張れるだろうけど、2人一緒ならもっと頑張れる気がした。
こうしてようやく仮免試験終了!!


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