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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第11章 原作編《仮免試験》


紫沫SIDE


「夜嵐、行くぞ!」
「ハイ!…他人にどう言われようとこの気持ちは変わらないっスけど、あんたのその真っ直ぐで一途な熱さは嫌いじゃないっス!それじゃあ!」

何だかよくわからない返事を返されて、走り去る姿にただ呆気にとられていると。
ジリリリとベル音が控え室の中に鳴り響いた。

《敵による大規模破壊(テロ)が発生!》

ベル音が鳴り止めば演習開始の合図と思しきアナウンスが流れ、呆気にとられていた意識を慌てて引き戻して。

「演習の想定内容(シナリオ)ね」
「え!じゃあ…」
《規模は○〇市全域。建物倒壊により傷病者多数!》
「始まりね」

開始の合図に続く指示を聞き逃さない様に耳を澄ませる。

《道路の損壊が激しく救急先着隊の到着に著しい遅れ!到着する迄の救助活動はその場にいるヒーロー達が指揮をとり行う》

状況を報せるアナウンスが流れる中、一次と全く同じ形で控え室が展開を始めた。

「また開くシステム!!」
《一人でも多くの命を救い出すこと!!!》

開ききったタイミングに合わせて。

《START!》

鳴り響いた号令に一次通過者100人が一斉にして地鳴りにも似た足音を響かせながら、被災現場を目指し我先にと駆け出していった。
採点とは言っていたが詳細は一切明かされず…
わからない以上は訓練通りにやるだけだと。

「とりあえず、一番近くの都市部ゾーンへ行こう!」
「なるべくチームで動くぞ!」

今回こそはクラスで連携を保ちつつ、要救助者の姿を見落とさないよう細心の注意を払いながら。
必死に足を動かしていたその時、いち早くその姿を発見した緑谷君の声が上がった。

「早速子どもが!!」
「ひっひっひっあ゛あ゛あ゛あ゛たすげてええ!!ひっひっ、あっち…!おじいちゃんが!!ひっ、潰されてえ!!」
「ええ!大変だ!!どっち!?」
「なァんだよそれえ。減点だよォオ!!!」
「!?」

破顔する勢いで泣きじゃくっていた子供の顔が一変。
それはプロというに相応しい演技だったと気付いたのも束の間。

「まず私が歩行可能かどうか確認しろよ。呼吸も数もおかしいだろォ!?頭部の出血もかなりの量だぞォ!?仮免持ちなら被害者の状態は瞬時に判断して動くぞ。こればかりは訓練の数がものを言う!!視野広くぅ周りを見ろォ!!」

HUC自身が採点者である事実を知った。

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