第11章 原作編《仮免試験》
紫沫SIDE
先頭を歩いていた八百万さんと目が合うと、それに次いで梅雨ちゃん・耳郎さん・障子君が共にいた。
「あ…轟さん、雪水さん。通過していたんですのね」
「さすがね」
「他のみんなは?」
「来てない。1番最初が俺と紫沫で次はお前らだ」
「そうか。まだか」
「一緒に行動してたんじゃなかったのか?」
「それが傑物学園の方の"個性"で分断されてしまって…」
「残り30人…」
「皆、通過できるといいんだけど…」
「会場の様子をあれで見れるみたいだよ」
壁の上部に設置されたスクリーンには全体を広角にしか映していない為、特定の人がどうなっているのかまではわからない。
それでも何か情報が得られるかもと見上げて。
着いたばかりの4人は補給の為に飲食をしたり身体を休める為椅子に腰掛けていると。
そこへ新たな通過者を知らせるアナウンスが流れた。
《さて、立て続けに3名通過。現在82名となり残席はあと18名ー!》
やっぱりスクリーンからは通過者が誰かまではわからず、これから現れるその人達がクラスの誰かであればと入り口の方へ視線を向けていると。
見慣れたコスチュームが6人、こちらに歩いてくる姿が目に入った。
「皆さんよくご無事で!心配していましたわ」
「ヤオモモー!ゴブジよゴブジ!つーか早くね皆!?」
「俺たちもついさっきだ。轟と雪水が早かった」
「爆豪も絶対もういると思ってたけど、なる程!上鳴が一緒だったからか」
「はァ!?おまえちょっとそこなおれ!」
「ターゲット外すキーが奥にあるわ。ボールバックと一緒に返却棚に戻せって」
やってきたのは、上鳴君・爆豪君・切島君そして緑谷君・瀬呂君・お茶子ちゃんだった。
「さっきのアナウンスは上鳴君達だったんだね!」
「A組はこれで12人か」
「あと9人」
「アナウンスでは通過82名…枠はあと18人…飯田さん大丈夫かしら…」
「飯田くん…?」
クラスでも共に行動をしているところをよく見る3人の内、飯田君の姿がまだ見えなかった。
「分断された後に誰かと合流出来てるといいんだけど…」
「そうだね。どこも複数人でいるから対1となると正直厳しい…僕も麗日さんと瀬呂くんと力を合わせたんだ」
「そうだったんだね!あっちの3人も一緒だったみたいだし、そろそろ決めないと18人なんてあっという間だろうな…」
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