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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第11章 原作編《仮免試験》


紫沫SIDE


《けっこう状況動いてます!現在通過者52…あ、53名!二人以上を脱落させた者もいる為、脱落は230名!そして今54人目出ました。あと半分切った!早く!終われ!》

戦闘中でアナウンスを聞いてる余裕がなかったのか、唐突に耳に入ってきた数字に驚いた。
通過者の数が半分を超えている。
私ものんびりとはしていられない。

「ポイント、当てさせてもらいます」

こんな所で落ちたくない。
きっとそんな気持ちから動かない口を無理にでも開いたんだろうけど。
たった100人という枠では9割以上の人が脱落する事になるわけで。
その100人に入る為に、情けをかける余裕を私は持ち合わせてはいない。

《おおっと、ここで55人目も出ました!いい調子だ!どんどんお願いします!!》

持ったボールが冷気で凍ってしまったけど、ポイントにあてるとちゃんと反応してくれて。
6個目にあてた直後、アナウンスが流れた。

「これって、私のことだよね」

そう呟くのと同時に。

『ピピッ。通過者は控室へ移動して下さい』

自分が身につけているポイント3つともが光り、そこから聞こえた指示に従ってその場を後にした。
脱落が確定した事で意気消沈した様子の二人に、私では低下した体温をどうする事もできないので委員会の人が来てくれるまで耐えて下さいと一言を残して。

「紫沫。今のアナウンス…無事通過出来たみてぇだな」

控え室に向かう途中、背後から掛けられた声に振り向くとそこにいたのは…

「焦凍君!!」
「俺もさっき通過したところだ」
「本当!?良かった!」
「ああ。一緒に控え室向かうか」
「うん!…っあ」

焦凍君との距離が縮まるのを、寸でのところで一歩後退すると少し怪訝そうな顔をされてしまった。

「紫沫…?」
「あの、私今戦闘終わったばかりで…冷気、纏ってるから…」
「そういう事か…少し、じっとしてろよ」

そうして再び距離が縮まるのを今度は動かないでいると、期末試験の時のように"個性"で冷気が治まるまで暖めてくれた。
本当は暫くすれば治まるものなんだけど。

「いつもありがとう」
「俺が紫沫に近づきてぇからしただけだ」

好意からしてくれたというのが嬉しくて。
改めて控え室に向かう為隣に並んで歩き出した。


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