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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第11章 原作編《仮免試験》


紫沫SIDE


「雄英好きとか言ってたわりに入学は蹴るってよくわかんねえな」
「ねー…変なの」
「変だが本物だマークしとけ」

勢いだけでなく、実力も凄いのかと。
焦凍君よりも好成績を叩き出す"個性"なんて。
早くもまだ見ぬライバルの能力が高いことを実感させられていると、明るく弾んだ声が聞こえてきた。

「イレイザー!?イレイザーじゃないか!!」
「!」
「テレビや体育祭で姿は見てたけどこうして直で会うのは久し振りだな!!」
「あの人は…」
「結婚しようぜ」
「しない」
「わあ!!」

芦戸さんの目が輝いてる。
あの相澤先生に対してこんなにも距離が近い人は初めてだ。
さっきまで考えていた事は、目の前の稀有なやり取りに引っ張られてしまい一旦隅の方へと追いやられていた。

「しないのかよ!!ウケる!」
「相変わらず絡み辛いな、ジョーク」
「スマイルヒーロー「Ms.ジョーク」!"個性"は「爆笑」!近くの人を強制的に笑わせて、思考・行動共に鈍らせるんだ!彼女の敵退治は狂気に満ちてるよ!」

緑谷君のお陰で女性の正体を知ることが出来た。
言われてみれば身に纏っているのはプロヒーローたる証のコスチュームだ。

「私と結婚したら、笑いの絶えない幸せな家庭が築けるんだぞ」
「その家庭幸せじゃないだろ」
「ブハッ!!」
「仲が良いんでですね」
「昔事務所が近くでな!助け助けられを繰り返すうちに相思相愛の仲へと」
「なってない」
「いじりがいがあるんだよな。イレイザーは」

いじるネタがあまりにプライベートな内容で、先生としての顔しか見たことない私には中々結び付かないけれど。
家庭という場での相澤先生を少し見てみたい気もする。
そしてチラッとだけ、もし焦凍君なら…と。

「紫沫なら、どんな家庭になるんだろうな」
「え!?」
「俺の知る家庭っつうのはあんま良いものじゃねぇから」
「あ…」

多分これは私の思っていた事とは全然違う意味を含んだ話で。
少しだけ頭を掠めたりしたけど、それは高校生の私達にとって夢物語に近い。

「幸せな家庭の形は人それぞれだと思うし、家庭を築くってまだまだ先の事でわからない…けど、今の私は、焦凍君が傍にいてくれることがとても幸せだって思うよ」

それはきっとこの先も変わらない。
まだ見ぬ未来のことだとしても、そう思えるから。


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