第10章 原作編《入寮〜圧縮訓練》

轟SIDE


唯の一つも余す所なく証を刻み込み行き着いた先は、本人ですら目にする機会のあまりない秘所。
ここに至るまで敢えて触れずにいたのに。
慣らす必要がない程に愛液は溢れ濡れそぼっていた。
その情景に思わずごくりと喉が鳴る。
今にも滴り落ちそうな愛液を一滴たりとも零さぬように舌で掬い取ってやれば、過剰なまでの反応を見せた。
上の口が必至に耐えているのに、下の口は堪え性もなく卑猥な音を奏でる。
執拗に攻め立てれば小刻みに震えだす下肢。
それがどれ程の感覚なのかは俺には検討もつかないが。
逃れようと足掻く様にスラッと見えて程よく指の食い込む柔らかな太ももに腕を纏わせこちら側へと引き戻す。

「ふっ…ンんぅ、ァ…んん゛…ッ」

先ずは中指で。
ゆっくりと差し込めばそれはあっさりと呑み込まれ、軽く慣らす程度にして。
次いで人差し指を。
少し入り口を押し拡げるも難なく呑み込まれていく。
最終的に待ち受けるのはこれでは済まないが。
二本の指で的確に弱いところを探り当てそこを重点的に突いてやれば…

「ッん、ン゛…んん…っ！」

呆気なく果てる身体にまるで俺の意のまま開発している気分だ。
その姿見たさに顔を上げその痴態を眺めながら、呑み込ませた指は休みなく弄び続けて。
跳ねるのは何度目か数えていられなくなるまで攻め続けた指は愛液でドロドロになっていた。
胸元を上下させ、四肢をだらし無く放り出す紫沫の姿。
それは上がり続ける身体の熱を更に増幅させ、固くそそり勃たせて猛りきった主張に理性は役に立たない。
自らも肌を重ねるには邪魔となる衣服を早々に脱ぎ捨て、未だに様子の変わらない剥き出しの身体へと覆い被さった。

「挿れるぞ」

耳元で囁いたのは優しさではなく、意識をさせる為。
しかしその行為で俺の耳も紫沫の口元にあったようで、囁き返してきた。

「私も…焦凍君を、気持ちよくして、あげたい…」

いつの間にこんな事を口にするようになったのか。

「ね…焦凍君…」

今にも消えてしまいそうな声音をしているのに。

「前みたいに…させて…？」

必要ないと否定するつもりが追い打ちをかけられ、それは喉の奥へと流れ消えていた。
たった一度だけの記憶がみるみる蘇って期待に胸が高鳴る。
すぐにでも繋がりたい欲求はあるのに、囁かれた誘惑を無視する事は出来なかった。

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