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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第10章 原作編《入寮〜圧縮訓練》


轟SIDE


共有スペースでアイスを食べながらそのまま寝てしまいそうな紫沫をなんとか部屋まで連れてきたが。
瞼が今にも落ちてしまいそうだ。

「部屋、着いたぞ」
「ぅん…」
「今日はゆっくり休め」

ベッドに入るのを見届けてからその場を後にするつもりだった。

「しょうとくんは…?」
「俺は戻る」
「ねないの…?」

それは、一体どういうつもりで口にしたのか。
とろんとした目で俺を見上げるその姿から、きっとほぼ無意識で言葉を口にしているのだろう。

「ベッド、いこ?」

甘えた声で誘っているかのように言われて。
断れるはずがなかった。
共にベッドへと向かえば、少し前までそうしていたからか。
自然と俺の腕の中へと擦り寄ってくる。

「紫沫…」

小さく名前を呼ぶと胸に埋めていた顔がこちらを向いて。
何も言わずとも瞳を閉じていた。
それは寝る為にではなく、何度もしてきた事を待つ表情だ。
まるでそれを強請っているように見えて。
少しこのまま見ていたいと思いつつもゆっくりと唇を重ねる。
触れるだけでは物足りなくなり、次第にそれは深く絡まるものとなっていた。

「っん…」

最中に漏れる声が堪らなく俺の本能を掻き立てる。
その先にある行為を知ってしまったから。
求めずにはいられなくて。
角度を変えて縺れ合いながら、じわじわとその小さな身体を組み敷いていく。
一度そこからは離れて首へと吸い付けば、小さな声と共にピクリと身体が反応を示した。
そうなることはもうわかりきっているのに。
俺の前だけで見せる姿に優越感を覚えて。
もっと見てみたいと欲が出る。
首元から這い上がって耳元へと唇を寄せた時だった。

「しょぅと、くん…」

ともすれば聞き逃してしまいそうな声で名を呼ばれ、ふと視線を紫沫の顔へと向ければ。
完全に瞼が落ちきっていた。

「…寝たのか?」

数秒返答を待ってみるも返ってくる気配はない。
アイスが溶けているのに気付かない程の眠気に襲われていた事を思い出した。
寝ている紫沫相手に手を出す訳にもいかず。
そっと触れるだけの口付けを落とす。

「おやすみ」

流石に女子寮に俺が居座るのは良くないと思い、起こさぬようにしながら自室へと戻る事にした。




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