第10章 原作編《入寮〜圧縮訓練》

紫沫SIDE


口元を手で抑えた私を確認したからなのか。
焦凍君は再び肌に触れ始めると、今度は下へと指を沿わせて。
短パンの裾の隙間から忍び込んでは太ももの内側を撫で上げられた。
その厭らしい手つきに漏れる声を、口元を覆った手がくぐもったものに変える。

「ん、ふぅ…んンッ」

肌に直接触れながらも肝心なところには触れてくれなくて。
そこに近付いては遠のいていく動きにもどかしさが募って。
下腹部の疼きは更に下着を濡らしていく。

「…しょぅと、くん…っ」
「何だ？」
「も、ぅ…お願…ぃっ」

なるべく音を漏らさないようにと覆う手はそのままに。
そのせいでちゃんと聞こえてなかったのか。
添えられていた指が離れて、焦凍君は上体を起こした。
何故離れて行くのかわからないでいると、次にその指が向かったのは短パンのウエスト部分で。
下着もろとも剥ぎ取られてしまう。

「ぁっ…ん」
「こんな濡らしてたのか。ココ、糸引いてるぞ」

秘部の割れ目を撫で上げる指に、身体は予想以上に反応を示して大きく跳ね上がる。
焦らされたせいなのか。
いつも以上にソコへの刺激が強い気がした。

「紫沫の味だ」
「！？」

指についた愛液を舐めていた焦凍君に驚いていると、今度は直接秘部に舌を這わせ舐め取られる。
触れて欲しいと望んだのは私だけど。
舌で触れるなんて思ってなくて。
水音を立てながらソコに顔を埋める姿に、羞恥心と快感が同時に襲ってきた。

「っンン…ふぁ…ん゛…ぅっ」

柔らかな舌が秘部の割れ目を這う感触に、さっき以上に声が上がって。
手で覆っても音が漏れてしまいそう。
そんな私のことなんかお構い無しに。
割れ目だけでなく陰唇へと這い上がり。
そこを集中的に攻め始め、堪らず下半身が小刻みに震えだす。
更に追い詰めるかのように。
すっかり滑りの良くなっているソコへ、ツプリと小さく音をさせて指が侵入してくると。
中の弱いところを的確に突いてきて。
それが何だかいつもとは違う気がするけど、迫り来る快楽には抗えなくて…

「ふぁっ、ん…ィ、くぅ…んツ」
「うおっ」

全身を襲う絶頂の快感に夢中になっていたからなのか。
初めてのことだからなのか。
その事にすぐには気付かなかった。
焦凍君が何故かTシャツで顔を拭っているのを視界の端に映していながらも。

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