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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


少しして目の腫れが引いた頃に、そろそろ帰らなきゃと言って、私達はその場を後にした。
家に着いた時には既に両親は起きていて、私が外にいたことに気付かなかったらしく、驚いていた。
心配させたら悪いと思って、走りに出ていたと言ったら更に驚かれてしまった。
私が朝早く起きて走りに行くなんて今までしたことなかったから、嘘としては少し無理があったかな?
でも、走ったのは本当のことだし。

「ダイエットでも始めたの?」
「そんなんじゃないよ。たまたま目が覚めたから。ただのきまぐれ」
「珍しい事もあるもんだな」
「たまにはそんな時もあるよ」

そう言って、私は自分の部屋へと戻って行った。
ベッドに寝転がって目を閉じていると、慣れない早起きをしたせいか、いつの間にか眠ってしまっていた。
夏休みはあっという間に終わってしまって、その間彼とは連絡を取る事も会う事もなかった。

「紫沫おはよ!久しぶりー!」
「華純、おはよ。久しぶり!」

今日は2学期の始業式。
彼に会えるかと思うと、少し胸が高鳴った。

「夏休み全然遊べなくてごめんね?」
「ううん。家族旅行は楽しかった?」
「そうそう。これお土産!」

そう行って渡してきたのはあまり趣味がいいとは言えない置物。

「…ありがとう?」
「可愛いでしょ?」

これが可愛い…?
幼馴染はこんな変な趣味ではなかったと思うんだけどな。

「紫沫は夏休み何してた?」
「えと…殆ど家でゴロゴロしてた、かな…」

嘘ではなかったけど、夏休みの間に彼に会った時の事が頭をよぎる。
でも、幼馴染にうまく話せる気がしなくて、この事はまたの機会にしようと思った。

「そっか?」

学校に着くと、一旦お互いの席へと向かう。

(あ、轟君もう来てる)

少し前に会ったのに、何だか久しぶりな気がした。
制服姿を見るのが久しぶりだからかな?

「轟君、おはよ」
「ああ、雪水おはよう」
「宿題全部終わった?」
「おお」
「確か夏休みの間稽古もしてたんだよね?大変じゃなかった?」
「別に、普通だ」

普通とは…
彼がハイスペックなことを忘れていた。
なんてお喋りをしていたらすぐにチャイムがなってHRが始まる。

「2学期に入ったから席替えをする」

その一言に私は少しの間意味を理解する事ができなかった。



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