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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第10章 原作編《入寮〜圧縮訓練》


紫沫SIDE


寮に来て初めての朝を迎える。
今日から改めてヒーローを目指して、訓練の日々が始まるのだ。
一先ず教室に集められると、教壇に立つ相澤先生からこれからの詳しい動きについての説明が始まった。

「昨日話した通り。まずは"仮免"取得が当面の目標だ」
「「「はい!」」」
「ヒーロー免許ってのは人命に直接係る。責任重大な資格だ。当然、取得の為の試験はとても厳しい。仮免といえどその合格率は例年5割を切る」
「仮免てそんなキツイのかよ」
「そこで今日から、君らには一人最低でも二つ…」

相澤先生が合図のような素振りをすると共に前の扉から。
睡さん・エクトプラズム・セメントスの三人が姿を現し、続けて告げられたのは。

「必殺技を作ってもらう!!」
「「「学校っぽくてそれでいて、ヒーローっぽいのキタァア!!」」」

もうお決まりのようになっているクラスの反応は、1-Aの団結力の強さが伺えて。
この瞬間を楽しみにしている自分がいることに小さく笑いがこみ上げた。

「必殺!コレ、スナワチ必勝ノ型・技ノコトナリ!」
「その身に染みつかせた技・型は他の追随を許さない。戦闘とはいかに自分の得意を押しつけるか!」
「技は己を象徴する!今日日、必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ!」
「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。コスチュームに着替え、体育館γへ集合だ」

相澤先生の指示を最後に私達は更衣室で着替えを済ませ向かった先は、体育館γ…通称——…

「トレーニングの台所ランド。略してTDL!!!」
「ここは俺考案の施設。生徒一人一人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ」

体育館の床はコンクリートで空間には何もない伽藍堂なところだったけど、セメントスの"個性"で自由自在に姿を変えられるということらしい。

「なーる」
「質問をお許し下さい!何故、仮免許の取得に必殺技が必要なのか。意図をお聞かせ願います!!」

我らが委員長はいつもクラスを代表して質問をしてくれるから、私は何も言わず次の言葉を待つことにした。


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