• テキストサイズ

【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第9章 原作編《神野事件》


紫沫SIDE


あの後、度重なる絶頂に身体が限界だったのか体力が尽きてしまった。
自分のせいだからと焦凍君が洗ってやると言い出して、恥ずかしいからいいと言っても引いてもらえず、結局全身洗ってもらうことになった。
流石に慣れないのか少しだけ動きがぎこちなくて、特に髪を洗うのに苦戦していた姿に羞恥心も薄れて可愛いと思ってしまう程で。
男の人だから雑なんだろうなと思っていたけど、その手付きはとても優しくて心地の良いものだった。
焦凍君はうちに来る前にシャワーを浴びていたらしく私を洗い終えると自分は軽く流して終わっていた。
予想以上に安らいだお陰かお風呂を上がる頃には幾分か体力も回復していて、夕飯にしようということになったけど数日間人がいなかった家にマトモな食材はなくて出前を取って済ませる。
お互いに前日からあまり寝てないのと、お腹が満たされた事で急激な眠気に襲われた。

「えっと、本当に私のベッドでいいの?」
「構わねぇ」
「…シングルだから狭いよ?」
「大丈夫だろ」

これ以上何を言っても意見が変わりそうにないし、何より身体が睡眠を欲しているのに逆らうことが出来ない。
焦凍君が私の部屋に来るのは二度目だ。
既に一度見ているからなのか、すぐにベットの方へと足を進め布団の中へと潜り込む。
やっぱり私だけでもソファで寝ようかななんて思っていたら早く来いと言わんばかりに布団をめくって促された。
少し躊躇いがちにそこへと身体を忍ばせれば向かい合う形で抱きしめられる。

「寝にくくない?」
「問題ねぇ。寧ろ紫沫がここにいるのは安心する」
「…私も。焦凍君が傍にいると安心する」

狭いベッドの中で向かい合って抱き締められてるから交わる視線がとても近くて、何も言わなくても何をされるのかがわかってしまった。
瞳を閉じれば触れるだけの短い口付けが降ってくる。

「おやすみ」
「おやすみ」

疲れた体にベッドの誘惑は絶大で、そう口にしてから数分としない内に意識は深いところへと沈んでいった。



.
/ 456ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp