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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第9章 原作編《神野事件》


轟SIDE


紫沫の奪還に失敗しその場から去ることが出来ずにいると、敵から弾かれるようにして離れたのが見えた。
何故かはわからないがこれはチャンスだ。

「八百万!期末ん時の捕縛武器すぐ創れ!」
「!?…っはい!」

迷ってる暇はない。
敵連合は黒いモヤの方へと引っ張られて姿を消し残る二人も同様に引きずり込まれる寸前。
敵のボスも紫沫の事を狙っているわけではなさそうだ。
今なら救けられると思った。

「できましたわ!」

幸いにも弾かれた先はここからそう遠くない場所だ。
片方の端は自分の腕に巻きつけ、紫沫目掛けて捕縛武器を投げ"炎"を放つ。
形状記憶合金で出来たそれは自動的に身体に巻きつくと同時にこちらへと巻き戻り、その勢いのまま腕の中に閉じ込めた。

「紫沫っ」

2度も眼前で奪われていたかもしれないと思うと生きた心地がしなかった。
漸く取り戻すことが出来た腕の中にいる存在を、ここにいるんだと確かめるようにきつく抱き締めずにはいられなかった。

「焦凍君…っ」
「遅くなっちまって、悪かった」
「ううん…っありがとう」
「雪水さん、良かったですわ…さぁ、早くここから離れましょう」
「…ああ」

その場から去る事を優先して、紫沫を抱き上げ駆け出した。
少し離れた場所で捕縛武器を外し、避難誘導をしているところへと紛れ込み緑谷に電話を掛ける。

「緑谷、そっち無事か?」
『うん!轟くんの方は!?逃げ切れた!?』
「多分な。奴の背面方向に逃げてる。プロたちが避難誘導してくれてる」
『よかった!でも、雪水さんが…』
「紫沫なら今一緒だ」
『えっ!?』
「詳しいことは後で話す」
『わかった!僕らは駅前にいるよ!あの衝撃波も圏外っぽい!奪還は成功だよ!』

一旦電話を切り緑谷達と合流するべく駅前へ向かうと2人に告げる。

「本当にありがとうっ」
「いいえ。ご無事で何よりですわ!それに、緑谷さん達も来てますのよ」
「紫沫のこと心配してたぞ」
「やっぱりあれは緑谷君だったんだね。爆豪君も一緒だよね?」
「ああ。飯田と切島もいる」
「そっか…皆無事なら良かった」

兎に角今は被害に遭わない様少しでも遠くに離れ、衝撃の圏外だと言っていた緑谷達の下へと急いだ。


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