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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第9章 原作編《神野事件》


紫沫SIDE


「ヴェッ!…気色悪…っ」
「げほっげほっ…」
「君達には一度会いたいと思っていたよ」

黒い液体に呑み込まれそこから解放されたかと思うと、目の前には爆豪君と変なマスクにスーツ姿の人。
見知らぬその人はさっきまでいた場所で聞いた気味の悪い声の持ち主で、何故か私のことを知っている風だ。

「君の名前は確か…」
「業だよ」

同じタイミングで連れてこられたらしい私を攫った敵は見知らぬ人の言葉をまるで遮るかのように名前を口にした。

「そうか。では、業。君の力を是非弔の為に貸して欲しい」
「…これは僕の力だ。僕が僕の為に使う」
「それで構わない。君は必ず弔の力になる。そして、その子は君の為にもまだ必要な存在だ」

全くもって意味がわからない。
何故業と名乗る敵の為に私が必要なのか。
両親を手にかけた犯人かもしれない敵と私の存在はなんの関係があるのか。

「そんなの、あんたには関係な…」
「げぇぇ…」
「!?」
「!!荼毘っ」

業と名乗る敵が反論しかけたところで新たにいくつもの黒い液体が現れ人が出てくる。
あの場にいた敵連合全員がここに連れてこられたようだ。
業はその中にいた意識を失っているらしい顔がツギハギの敵の元へと駆け寄っていった。

「また失敗したね弔。でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した。この子もね…君が「大切なコマ」だと考え判断したからだ。いくらでもやり直せ。その為に僕(せんせい)がいるんだよ。全ては君の為にある」

さっきまでの話はこの弔と呼ばれた敵の親玉の為だったのか。
その言葉から爆豪君は未だに敵連合に誘うつもりらしい。
そして私は多分殺されることはない。
ならば、爆豪君と共に抜け出せるチャンスはきっと何処かにあるはずだ。

「…やはり…来てるな…」

見知らぬ人が口を開いたと同時に物凄い勢いで飛び込んできたのはさっきまで一緒にいたNo.1ヒーロー。

「全て返してもらうぞ。オール・フォー・ワン!!」
「また僕を殺すか、オールマイト」

2人がぶつかった衝撃で地面が抉れている。

「ずいぶん遅かったじゃないか」

再び起きた衝撃で生まれた爆風によって私達の身体はいとも簡単に吹き飛ばされてしまった。
オールマイトを素手で弾き飛ばす程の力を持った見知らぬ人こそが本当の敵のボスだ。



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