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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第9章 原作編《神野事件》


紫沫SIDE


「どーもオ、ピザーラ神野店です——」

突拍子もなく扉の向こうから聞こえて来た声にその場にいた全員がそちらへと意識を持っていかれる。
次の瞬間、「SMASSH!!」という掛け声が聞こえ壁がぶち破られたと同時に人の姿が見えた。

「何だあ!!?」
「黒霧!ゲート…」
「先制必縛」

木の幹が敵連合に襲いかかり身動きの取れない状態になっている。
あまりにも予想外な状況の変化に少しの間呆然としてしまった。

「木イ!?んなもん…」
「逸んなよ。おとなしくしといた方が…身の為だぜ」
「荼毘!?こんの、クソジジィ!!」
「さすが若手実力派だ、シンリンカムイ!!そして目にも止まらぬ古豪、グラントリノ!!もう逃げられんぞ、敵連合…」

以前はテレビの向こう側の存在だったけど、今ではもうすっかり私達の先生だ。

「何故って!?」

壁をぶち破って現れたのはNo.1ヒーローの…

「我々が来た!」
「オールマイト…!!あの会見後に、まさかタイミング示し合わせて…」

他にも見たことのあるプロヒーロー達の姿がある。

「木の人引っ張んなってば!押せよ!!」
「や〜!!」
「攻勢時ほど守りが疎かになるものだ…ピザーラ神野店は俺たちだけじゃない。外はあのエデヴァーをはじめ、手練れのヒーローと警察が包囲している」

一瞬にしてひっくり返ってしまった現状に敵連合達も慌てている様子だ。

「怖かったろうに…よく耐えた!ごめんな…もう大丈夫だ、少年少女!」
「こっ…怖くねえよ。ヨユーだよ。クソッ!!」
「オールマイト…良かった。これで、戻れる…」

やっぱりプロヒーローは凄い。
すっかり私は安心していた。
救けられたと確信していた。
前にもこんな事があった気がする。
曖昧にしか思い出せないくらい幼い頃に。
プロヒーローが現れて私を連れ戻してくれた。

「…何で君だけ……わからない…僕の何がいけないんだよ…」

自分のことばかりで私は気付かなかった。
私を攫った犯人が何を思ってこちらを見ていたかなんて。
その言葉を聞いていれば、或いは…
いや、この先に何が待ち構えているかなんて誰にもわからない。
今はまだ何も知らないまま。


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