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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第9章 原作編《神野事件》


轟SIDE


「ここが発信機の示す場所ですわ」
「これがアジト…いかにもだな!」
「わかりません…ただ、私が確認した限り敵は丸一日ここから動いてません。敵がいるからといって爆豪さんと雪水さんがいるとは限りません。私たちが今どれだけ、か細い情報でここに立っているか。冷静に考えてみて下さい」

いかにか細かろうが紫沫へと繋がる情報なのであれば見過ごす事など出来る筈がなかった。
その場所は廃倉庫のような建物があり、塀の外から見る限りでは電気も点いていないし中に人がいる気配を感じられない。

「正面のドア下に雑草が茂ってる…他に出入り口があるのか?どうにか中の様子を確認できないものか…」
「おい、ホステス〜何してんだよホステス〜!俺たちと飲みましょ〜」
「やーめとけ。バカ!」
「オッラア」
「パッ、パイオツカイデーチャンネー」
「一旦離れよう」

多少の人通りがある為表からでは中の様子を伺うことが難しいと判断した俺達は裏に回ってみることにし、塀伝に細い路地へと足を踏み入れる。
中の様子を伺えそうな窓を見つけたがこの暗さで見えるのかと言えば、切島が暗視鏡を持参してきたと取り出した。

「それめっちゃ高いやつじゃない!?僕もコスチューム考えてた時ネットで見たけど、確か5万くらいしたような…」
「値段は、いんだよ。言うな」
「よし、じゃあ緑谷と切島が見ろ。俺と飯田で担ごう」
「あまり身を乗り出すなよ。危ないと思ったらすぐ逃げ出せるよう」
「飯田ちょっと下がれるか?」
「様子を教えたまえ。切島くんどうなってる!?」
「んあー…汚ーだけで…特に——…は——…うおっ!!」
「切島くん!?」
「っべェ!!」
「おい!」

やはり中に人はいないのかと思った矢先、切島が驚きから体勢を崩した。

「どうした。何見えた!?切島!!」
「左奥…!!緑谷左奥!!見ろ!!」
「!?ウソだろ…!?あんな…無造作に…アレ…全部、脳無…!!?」

廃倉庫は脳無を保管する場所だったのだ。
アテが外れてしまい、振り出しに戻る。

(ここじゃねぇなら、何処にいるんだ…無事でいてくれ……紫沫…っ)

唯一の手掛かりは紫沫の居場所を示すものではなかった。
もう俺の手で救けることは出来ないのかと考えを巡らせた時、塀の向こう側から爆風が巻き起こった。

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