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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


夏休みも残り僅かとなった頃、宿題を全て終えた私はぼんやりとあの日のことを思い出していた。

(ちっちゃい頃の記憶って殆ど忘れちゃってるよなぁ…)

何度記憶を辿っても、なかなか彼の言っていた公園でのことが思い当たらなくて、やっぱり別人なんだろうかと思い始めていた。

(…お母さんに聞いたら何かわかるかな?)

思い出せないのなら、知ってる可能性がある人に聞いてみればいいのだと、何故今まで気付かなかったのか…
早速私はお母さんがいるであろうリビングへと向かった。

「ねぇねぇ、お母さん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「どうかしたの?」
「私がちっちゃい頃行ってた公園って知ってる?」
「家の近くの公園のこと?」
「ううん、そうじゃ無いと、思う…」

あの公園で出会っていたのならこの辺に住んでる筈だからそれはない。
前一度だけ行った彼の家は決してこの辺と言えるほど近い場所ではなかった。

「公園ねぇ…あぁ、そう言えば実家に帰っていた時たまに一人で遊びに行ってたわね」
「え?そうだっけ?」
「あら、覚えてないの?私の実家に行く度に遊んでくるって行ってすぐに飛び出して行ってたのよ?」
「…ねぇ、その公園ってどこにある?」

それからお母さんに公園の場所を聞いて、驚いた。
そこは紛れもなく彼の家から近い場所にあったからだ。
お母さんの実家にはここ数年行っていないし、一人で行くこともなかったから気付かなかった。
この公園なら、出会っていてもおかしくはない。
ただ、それでも思い出せなくて、お母さんも公園で何をしていたかまでは知らない様子だった。
そんなスッキリしない気持ちのまま、その日は就寝した。










「紫沫ちゃん、また来てくれたんだね」
「うん!だって、また来るって約束したから!」

男の子の身体には相変わらず新しい痣が出来ていて、それを見た私はまた"個性"を使う。

「そう言えば、焦凍君の"個性"はどんななの?」
「僕のはね、右がお母さんで左がお父さんのなんだ」
「どういうこと?」
「今から出すから見ててね」

そういうと、男の子は右手から氷を出した後に左手から炎を出した。

「わぁ!凄くきれい!!」
「そうかな?」
「うん!私、焦凍君の"個性"好き!!」
「僕も、紫沫ちゃんの"個性"好きだよ」



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